【患者】80代前半 女性
【主訴】100m位歩くと腰から下の坐骨神経痛で辛い。足首から先は痺れて重く歩行が辛い。
【既往歴】脊柱管狭窄症
【現病歴】10年位前から腰部から左右下肢痛があり、近医整形外科で検査の結果、脊柱管狭窄症と診断され手術を勧められていた。3ヶ月程前から悪化傾向になり、歩行に支障をきたす様になり、知人の紹介で来院された。
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【現症】痛みは腰部、並びに両側の臀部から足関節までの下肢後面にかけて現存し、足関節から末梢には痺れも伴う。左右差は認められない。
安静時痛があり、間欠性跛行が発現する。継続可能な歩行距離は約100
mである。
【施術と結果】本症例は腰痛並びに左右下肢痛を訴えており安静時痛が現存するが、触察により熱感、腫脹が確認できなかった為、痛みや痺れの要因は腰部から末梢部の筋緊張による血行不良であろうと考えた。
先ず痛みを訴える臀部を指差ししていただいた結果、左右の仙腸関節周辺だった為、触察した結果、近位である腸骨陵の上縁の筋緊張を確認した。同部位に緩消法を約2分行い筋弛緩を確認した。その結果、左右共、臀部の痛みが10から8(NRS改変)となった。効果が見られた為、さらに3分行い筋弛緩を確認した。その結果、臀部の痛みは10から7(NRS改変)となった。この時点での下肢痛の変化はなかった事と臀部の痛みがご本人の主観では深部であるという事を確認していた為、施術部位を腰部側面の表層から深部を順番に弛緩していく事とした。腰部側面の第3腰椎〜第4腰椎(以外、L3〜L4)高位に中心に向かって約10分施術し筋弛緩を確認した。押圧深は約4cmになり、痛みを確認すると腰が凄く軽くなったと報告を受け、腰部の安静時は10から0(NRS改変)と消失した。
さらに腰部深層部の筋弛緩を進める為、約15分継続施術した。その結果、押圧深は左右共約5cmになり、
足底部の痺れを除く左右の下肢痛は10から6(NRS改変)と小さくなった。最後に足底部の痺れの変化が認められなかった為、左右の内窩とアキレス腱の間周辺の筋緊張を触察により確認し、約1分ずつ施術し筋弛緩を確認した。その結果、ご本人の主観で足底部の痺れが約5割軽減したとの報告を受け、歩行が凄く楽になったと喜んでいただき、当日の施術を終了した。