【患者】80代後半 女性
【主訴】朝、首の寝違いをしたみたいで痛くて首が回せない。
【既往歴】側湾症
【現病歴】この女性は側湾症を伴う腰痛の施術で通院している患者さんで、来院予定日の朝、いわゆる寝違い様症状で頚部の痛みで回旋が出来なくなって来院された。以前には頚部痛も時々発症していたが、最近は頚部痛はなかった。
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【現症】安静時は頚部後面に圧重感があり、動作痛が著明で前屈痛及び
左右への回旋時痛が現存する。
痛みの発現箇所は第2頚椎〜第5頚椎(以下、C2〜C5)の棘突起から左右共約2cm外側の範囲である。
前屈時の可動制限はないが、回旋時の可動制限があり、左右共に頚部関節可動域(以下、ROM)は自動で回旋約10°である。
【施術と結果】本症例は当日に発症した頚部痛を訴えているが、目視及び触察により疼痛部位の熱感及び腫脹が確認できなかった為、筋緊張による血行不良が痛みの要因であろうと考えた。
高齢者であり頚部後面の安静時痛を訴えていた為、頭部の疾患も疑ったが、安静時痛の程度が軽度であるとの報告から頭部の疾患の可能性は少ないと考え、頚部の施術を始めた。先ず、痛みを感じる部位を指差ししていただいた結果、C2〜C5の棘突起から約2cm外側の範囲全体を指摘させた為、触察し最も筋緊張している部位を確認し、緩消法を約30秒ずつ左右行い筋弛緩を確認した。その結果、安静時の圧重感は主観で消失し、前屈痛も10から0(NRS改変)と消失した。回旋時の動作痛も左右共10から3(NRS改変)となった。頚部ROMも自動で左右共、回旋約45°となり
動く様になったと喜びと驚かれた表情で報告していただいた。ただ、回旋痛が残存していた為、筋緊張が残る箇所を触察により確認し、緩消法を約2分行い筋弛緩を確認した。その結果、頚部の回旋痛は10から0(NRS改変)と消失した。痛みが全く無くなり大変喜んでいただき、残り時間は再発防止と腰痛の施術をし
終了した。