手術をするしかないと宣告された右大腿部痛が一度の施術で改善した例

【現症】痛みは右大腿部外側が著明であるが、痛みの発現する範囲は右大腿部全体であり、ご本人の主観では深部痛である。痛みは軽度の安静時痛及び歩行痛と間欠的に起こる強度の発作痛であり、その痛みが約10分〜15分継続する。強度の発作痛の頻度は日差変動があるが、来院当日は2〜3時間に1度との事であった。尚、腰痛は認められない。
【施術と結果】本症例は誘因なく発症しており、触察により熱感、腫脹は確認出来なかった為、筋緊張による血行不良が要因であろうと考察した。
　 先ず、右大腿部全体の安静時痛が現存する為、右鼡径靱帯周辺の筋緊張により大腿部の血行不良が関わっているのではないかと考察し、触察し筋緊張を確認した。同部位に緩消法を約1分行い筋弛緩を確認した。その結果、右大腿部全体の軽度の安静時痛及び歩行痛が10から0(NRS改変)と消失した。
　 鼡径部の筋緊張の根本的な要因は腰部の筋緊張と考え、触察により腰部の筋緊張を確認した。発作的な大腿部の強度痛は当時、発現していなかった為、改善しているか、否かは確認出来なかったが、再発防止には腰部の筋緊張を弛緩する必要があると考え、その後は腰部側面から中心に向かって緩消法を約30分行い、筋弛緩を確認した。
　 その結果、押圧深は約5cmになって終了した。当日は軽度ではあったが右大腿部痛が消えて手術は回避できそうと安堵の表情で帰路につかれた。それから一週間後、再来院され、前回の施術以来一度も発作的な強度痛が発現していないと笑顔で報告を受けました。