【患者】20代前半 男性
【主訴】3日前の食事中、左の顎に痛みを感じ、それ以降、口が開けられなくなり食事が思うように出来ない。
【既往歴】➖
【現病歴】今回、顎関節痛を発症する以前に症状は全くなく、普通に食事をしていた際に左顎関節に痛みが発現し、それ以降、開口制限を伴うようになる。近医整形外科を受診するも骨には異常はなく、炎症もないと説明を受けた。当院に通院する家族の勧めで来院された。
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【現症】安静時痛はなく、症状としては左顎関節周辺の動作痛であり、開口時痛及び食事の咬合時痛である。また、開口制限も存在し、ご本人の主観として通常時の約1割程度の開口度合いである。
【施術と結果】本症例は3日前に突発的に発症した左顎関節周辺痛であるが、安静時痛がなく、近医整形外科での検査に於いて炎症が認められていない点から、痛みを訴える左顎関節周辺の筋緊張による血行不良が痛みの要因であろうと考察した。実際に左顎関節周辺を触察するも熱感、腫脹は確認できなかった。
先ず、ご本人に開口時に痛みを感じる箇所を指差ししていただき、触察により筋緊張を確認した。同部位に緩消法を約30秒行い筋弛緩を確認した。その結果、開口度合いがご本人の主観として通常時の約3割程、開口可能になり、最大開口時までの痛みは消失した。効果を確認した為、同部位周辺の筋緊張を触察により確認し、更に緩消法を約2分行い筋弛緩を確認した。その結果、開口度合いがご本人の主観として通常時の約5割程、開口可能になった。
この時点で痛みを訴える左顎関節周辺に明らかな筋緊張部位が確認できなくなった為、施術ポイントを痛みを訴える部位の真下に位置する下顎骨下縁の頚部に移動し触察により筋緊張を確認し、同部位に緩消法を約2分行い筋弛緩を確認した。その結果、開口度合いがご本人の主観として通常時の約8割程、開口可能となった。痛みは最大開口時に発現するが通常動作での動作痛は消失した。残りの時間は再発防止の為、頚部及び顎関節周辺の筋緊張の根本的要因と考える腰部の筋緊張部位を触察により確認し、同部位に緩消法を行い、筋弛緩を確認し終了した。食事に於ける咬合時痛の有無は確認できなかったが、開口出来る様になり、食事が普通に出来そうだと笑顔で報告を受けた。