【患者】40代後半 女性
【主訴】2日前の夕方、冷蔵庫最下部の野菜室から野菜を取り出そうとした時にぎっくり腰になった。 昨日はほぼ動けず、今朝からは手摺等使わずに歩けるまで徐々に回復しているが、屈む動作等は怖くて出来ない。
【既往歴】―
【現病歴】2日前、立位での体幹前傾動作時にぎっくり腰を発症した。発症直後は痛みにより3m程度の距離に約30分の時間を要した。翌日はほとんど動けず、伝い歩きでトイレに行く程度。2日目の起床後からは徐々に回復し、痛みはあるが伝い歩きなしで歩行可能であった。
続きを読む
【現症】立位での体幹前傾動作時と歩行時に両臀部の比較的表層側に痛みを訴える。また、椅子座位姿勢時に尾骨部周辺に痛みを訴える。
【施術と結果】本症例は、立位での体幹前傾動作時にぎっくり腰を発症しており、目視及び触察にて痛みを訴える部位の腫脹及び熱感が感じられないことから、その要因として腰部全体の筋緊張によるものと考えた。
はじめに、両臀部の痛みが発症する直上部の腸骨稜後方付近を触察したところ筋緊張を確認した為、緩消法を約10分施術し筋弛緩を確認した。結果、立位での体幹前傾動作による痛みが10から8(NRS改変)と小さくなった。また、歩行時痛は10から6(NRS改変)と小さくなった。痛みの変化があったことから、さらに同部位周辺の腸骨稜後方から腰部側面にかけて筋緊張を確認しながら、緩消法を約15分行い、筋弛緩を確認した。結果、立位での体幹前傾動作による痛みが10から3(NRS改変)と小さくなった。また、歩行時痛は10から1(NRS改変)と小さくなった。次に、椅子座位姿勢時に尾骨部周辺に痛みが発生するとのことから、尾骨部周辺の痛みを訴える筋緊張部位に緩消法を約2分施術し筋弛緩を確認した。結果、尾骨部周辺の痛みは10から0(NRS改変)と消失した。
昨日まで出来なかったしゃがみ動作や起居動作が可能となり、また職業柄車の運転が多い為、仕事が再開できると大変喜んで頂けた。