【患者】60代後半 男性
【主訴】歩く時が特にお尻の左右が痛くなる。左右のお尻が痛くて体を真っ直ぐに起こせない。
【既往歴】高血圧症
【現病歴】約25年前に腰部右側と右臀部に痛みが発生し、近医整形外科にて腰椎椎間板ヘルニアと診断を受け手術を行っている。その後、腰部両側と左右臀部に痛みの消長を繰り返しており、約7ヶ月前から左右臀部に痛みが出現。
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【現症】左右臀部側面周辺に痛みがあり、歩行時の荷重応答期に痛みがある。立位時の胸腰部関節可動域(以下、ROM)は自動で伸展約-20°から痛みがある。右臀部側面周辺の痛みが優位である。
【施術と結果】本症例は、歩行時の荷重応答期による左右臀部側面周辺の痛みを訴えており、痛みの要因は痛みを訴えている部位周辺から真上にある左右腸骨稜周辺の筋緊張と考えた。
触察にて左右腸骨稜周辺の筋緊張を確認し、緩消法を約5分施術し筋弛緩を確認した。結果、歩行時の荷重応答期による右臀部側面周辺の痛みが10から8(NRS改変)と小さくなり、左臀部側面周辺の痛みが10から7(NRS改変)と小さくなった。改善が見られたため、引き続き同部位周辺に緩消法を約5分施術し筋弛緩を確認した。結果、歩行時の荷重応答期による右臀部側面周辺の痛みが10から8(NRS改変)と変化がなく、左臀部側面周辺の痛みが10から6(NRS改変)と小さくなった。
右臀部側面周辺の痛みの軽減度合に変化がなかった事もあり、左右腸骨稜周辺の筋緊張は腰部両側面の筋緊張が要因と考え、触察にて筋緊張を確認し、緩消法を約20分施術し筋弛緩を確認した。結果、歩行時の荷重応答期による右臀部側面周辺の痛みが10から5(NRS改変)と小さくなり、左臀部側面周辺の痛みが10から2(NRS改変)と小さくなった。最後に立位時の胸腰部ROMを確認すると、自動で伸展約-5°と上体を起こせるようになった。
痛みが改善し、上体もこんなに起こせるようになったと喜んでおられ、今後更に腰部の筋肉を軟らかくするために緩消法を続けていくと報告を受けた。