【患者】40代後半 男性
【主訴】右足の踵を怪我してから踵をついて歩けない。踵をつけずに歩くと土踏まずが痛い。
【既往歴】―
【現病歴】約1か月前に旅行先のプールで飛び込んだ際、プールの底に右踵部を強打した。2日後近医整形外科を受診し、レントゲン及びCT検査の結果、骨に異常はなく打撲で全治1か月との診断を受けた。受診当時、右内側縦足弓全体に内出血があり、受傷から約2週間後に右足関節全体が腫れ上がり増悪した。右踵部を接地すると右内側縦足弓周辺に痛みが出現するため、歩行時や階段昇降時には右踵部を接地しない状態で約1か月間過ごしていた。
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【現症】荷重応答期で右内側縦足弓周辺に痛みが出現する。日常生活上の右足関節可動域制限は確認できなかった。
【施術と結果】本症例は、約1か月間右踵部を庇って生活していたため右腓腹部周辺への負荷がかかり、同部位の筋緊張による血行不良から結果的に右内側縦足弓周辺に荷重時痛が出現していると推察した。
目視及び触察にて痛みを訴える部位の皮下出血や腫脹及び熱感がないことを確認した。はじめに、右腓腹部周辺の筋緊張部位に緩消法を約2分行い、筋弛緩を確認した。結果、右内側縦足弓周辺の荷重時痛は10から2(NRS改変)と小さくなった。次に、右膝窩周辺の筋緊張部位に緩消法を約2分行い、筋弛緩を確認した。結果、右内側縦足弓周辺の荷重時痛は10から0(NRS改変)と消失した。
右踵部の荷重時痛は残存しているが、右内側縦足弓周辺の荷重時痛が消失したことにより、また旅行に行けると喜ばれていた。