【患者】30代後半 女性
【主訴】腕が常に怠く、使うとパンパンに張って痛くなる。
【既往歴】ー
【現病歴】約2年前から誘因なく左右前腕部に絶えず怠さがあり、腕を使うと痛みも伴い、1年程前から鎮痛薬を飲んでいるが改善しない。ここ1ヶ月は安静時痛もあり、事務の仕事も休職している。整体や整骨院に通院するも良くならず、ネットから緩消法を知り当院に来院された。
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【現症】左右共に前腕部の怠さと痛みが現存するが、利き手である右前腕部が優位である。怠さは前腕部全体ではあるが、上腕部及び手関節より遠位には認められない。痛みは左右共、橈骨頭から遠位約10cmの範囲の腕橈骨筋周辺に限局する。安静時痛があるが、動作痛の増悪は認められない。
【施術と結果】本症例は左右前腕部の怠さと痛みを訴えているが、目視及び触察により熱感、腫脹が確認できなかった為、怠さ、痛みの要因は前腕部の筋緊張による血行不良であろうと考えた。さらに、本症例報告では記載しないが左右前腕部以外の複数部位で深部痛を訴えており、根本的な要因は腰部の筋緊張ではないかと考察し、触察により腰部の筋緊張を確認した。
先ず、左右前腕部全体の怠さは左右鎖骨下静脈周辺の筋緊張による左右上肢への血行不良も一因であろうと考え、胸鎖乳突筋起始部辺りの鎖骨内縁の筋緊張を触察により確認し、同部位に左右共、約30秒緩消法を行い筋弛緩を確認した。その結果、主観で左前腕部の怠さは消失し、右前腕部の怠さは5割減少した。十分な筋弛緩が確認できた為、次に痛みを訴えている右腕橈骨筋辺りの筋緊張を触察により確認し、同部位に緩消法を約2分行い筋弛緩を確認した。その結果、痛みは10から0(NRS改変)と消失した。さらに残存していた右前腕部の怠さも主観で消失した。次に同様に左前腕部も痛みを訴える部位の筋緊張を触察により確認し、緩消法を約1分行い筋弛緩を確認し、痛みは10か0(NRS改変)と消失した。その後は他部位の施術をし終了した。 2年間も改善しなかった症状が僅か3分程で無くなった事に驚きと喜びの表情でした。