【患者】30代後半、女性
【主訴】左足首の内側が押さえると痛い。お風呂上がりに痛くなる事が多い。
【既往歴】特記事項なし
【現病歴】約1年前、歩行中に段差で左足関節を捻挫し、近医整形外科を受診。レントゲン検査にて骨折はなく、足関節内側の三角靱帯損傷と診断された。サポーター固定を約2週間行った。固定除去後、数ヶ月経つが、痛みが継続している。
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【現症】足関節は、自動運動で全方向痛みなし。他動の内反・外反でも痛みは誘発できなかった。圧痛は、内果下端より遠位の三角靱帯が存在すると思われる部分に5ヶ所確認できた。
【検査所見】エコー検査にて、三角靱帯に断裂・浮腫像なし。
【治療と結果】足関節内側は、目視にて浮腫・発赤・皮下出血斑なし。触察にて、熱感なし。また、三角靱帯と思われる部分に、約1mmの圧痛を伴う硬結様の腫瘤を3ヶ所認めた。
よって、本症例は、足関節内側の軟部組織からの内出血後に発生した癒着による血行不良が関連していると考えた。まず、ご本人の一番気になる圧痛位置を確認し、その部分に緩消法を実施。約2分実施。圧痛は10から7(NRS改変)と小さくなった。効果があったため、続けて約2分実施。圧痛は10から5(NRS改変)と更に小さくなった。再度、一番圧痛が気になる位置を確認してもらうと、先程の位置とは異なり、その部分には、前述の硬結様の腫瘤あり。その腫瘤直上と周囲に続けて実施。約5分後、腫瘤の消失を確認。圧痛を確認してもらうと、10から0(NRS改変)と消失していた。
次に、残りの気になる圧痛の位置を全て確認。圧痛は3ヶ所あり、別の腫瘤の位置も含まれていた。位置確認後、圧痛部分と腫瘤直上・周囲に実施。約5分後、腫瘤は消失していないが、圧痛は10から平均7(NRS改変)と小さくなった。続けて同部位に実施。約5分後、腫瘤は消失していないが、圧痛は10から平均2~3(NRS改変)と更に小さくなった。その後、約10分同部位に実施したが、それ以上の圧痛の軽減は認めなかった。入浴後の痛みは今晩確認していただくように説明し、施術を終了した。
後日、入浴後の痛みが半減した、と喜びの報告を受けた。今後も、施術の継続を希望された。