【患者】10代後半、男性
【主訴】右脚が痛い
【既往歴】特記事項なし
【現病歴】約1ヶ月前、久しぶりに運動をした後から、右下肢に痛みが発生。明らかな外傷なし。近医整形外科を受診し、レントゲン検査にて異常なしと言われ、痛み止めとシップを処方された。
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【現症】右臀部・右鼠径部・右下肢にかけて痛みあり。特に歩行時、右鼠径部と下腿前面に痛みが強い。また、椅子座位から立ち上がる動作時に、痛みが気になるとのこと。
【検査所見】下肢伸展挙上(SLR)テスト °は、右:約10°、左:約25°。下肢の知覚鈍麻・麻痺なし。
【施術と結果】目視にて疼痛部に腫脹・発赤・皮下出血斑なし。触察では、腰部右側、右上前腸骨棘周囲、右鼠径部に筋緊張が高かった。
まず、施術者①が、一番痛みが気になる右鼠径部に椅子座位にて緩消法を実施。約1分後、筋緊張の軽減を確認。歩行時の痛みは10から2(NRS改変)と小さくなった。下腿前面痛は変化なし。その後、同部位への施術で痛みに変化がなかったため、筋緊張の高い右上前腸骨棘周囲に実施。約2分後、筋緊張の軽減を確認。歩行時痛は、鼠径部は変化なく、下腿前面が10から2(NRS改変)と小さくなった。鼠径部痛・下肢痛は腰部の筋緊張と関連があると考え、次に、施術者②が腰部筋群に緩消法を実施。約5分後、椅子座位からの立ち上がり動作時の痛みは10から1(NRS改変)と小さくなり、ほぼ気にならなくなったとのこと。
ここで再度、一番痛みが気になる部分を確認すると、右鼠径部であった。前述の如く、座位ではその後の痛みに変化がなかったため、仰臥位にて施術者②が実施。約5分後、歩行時痛は10から0~1(NRS改変)とほぼ消失。相当軽くなった、と喜んで頂けた。
【その他】本症例は、当院にて、緩消法認定技術者の①筆者・②渡邉の2名で順次施術を行った症例であり、部位ごとに施術者が変更しても緩消法の効果を確認出来た症例であった。尚、本症例の検査は①が行った。