【患者】10代前半 男性
【主訴】約3前から、特に椅子から立ち上がるときやサッカーで走ったりするときに右膝が痛い。右膝を触ると痛い。
【既往歴】-
【現病歴】特に椅子座位からの起立動作による重心の上方移動時とサッカー競技中に、右脛骨粗面周辺に限局した疼痛が出現し、約3年間続いている。接骨院にてエコー検査を施行し、オスグッド・シュラッター病の疑いがあるとのことで通院していた。
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【現症】椅子座位からの起立動作時に、右脛骨粗面周辺に限局した疼痛が出現する。また同部位に圧痛も訴えている。安静時痛は無く、日常生活上の右膝関節可動域制限は確認できなかった。
【施術と結果】本症例は、約3年前から右脛骨粗面周辺に限局した疼痛を訴えており、触察と目視により腫脹や熱感を感じられなかった為、急性外傷ではないと考えた。
はじめに、大腿四頭筋が膝蓋腱付着部を介して脛骨粗面を牽引していることから、右大腿四頭筋周辺の筋緊張が痛みの要因と考え触察したところ、右膝蓋骨上端より約10cm上方に筋緊張を確認した。筋緊張部位に緩消法を約2行い、筋弛緩を確認した結果、椅子座位からの起立動作時の右脛骨粗面周辺の痛みが10から4(NRS改変)と小さくなった。痛みの変化があったことから、さらに右大腿四頭筋周辺を触察したところ、中央付近に筋緊張を確認した。筋緊張部位に緩消法を約2分行い、筋弛緩を確認した結果、椅子座位からの起立動作時の右脛骨粗面周辺の痛みが10から2(NRS改変)と小さくなった。さらに同部位周辺の筋緊張部位に緩消法を約4分行い、筋弛緩を確認した結果、椅子座位からの起立動作時の右脛骨粗面周辺の痛みが10から1(NRS改変)と小さくなった。
主観により痛みがほぼなくなったとのことから、屋外でダッシュをしてもらったところ、右脛骨粗面周辺に再び痛みが出現したため、更に右大腿四頭筋周辺を触察したところ、近位1/3付近に筋緊張を確認した。筋緊張部位に緩消法を約2行い、筋弛緩を確認した。再び屋外でダッシュをしてもらったところ、右脛骨粗面周辺の痛みは10から0(NRS改変)と消失した。サッカーの試合で思い切りプレーが出来ると喜んで頂けた。