【患者】10代前半 女性
【主訴】2週間位前からだんだんと、右足が痛くなり普通に歩けない。
【既往歴】-
【現病歴】約2週間前から右足部痛が発生、体育やクラブ活動を行っている内に徐々に増悪し跛行を呈するほどの痛みとなった。
続きを読む
【現症】右下肢荷重時に第4趾、第5趾の足背に痛みのため跛行あり。また、第5中足趾節関節(以下、MP関節)外転は自動・他動ともに痛みあり。
【施術と結果】本症例は、足趾の運動痛と足部の荷重痛を訴えており、触察と目視にて足背の疼痛部に熱感・腫脹・発赤を確認したが、転倒や打撲などの外傷歴がないため痛みの要因は右鼡径部から右足関節までの範囲の筋緊張による足趾周辺への血行不良と考えた。先ず、触察にて右腓骨頭から下腿外側中央までの範囲に筋緊張を確認し緩消法にて約2分弛緩した結果、荷重痛は10から9(NRS改変)となった。
右腓骨頭直下の筋緊張が強く足関節の底背屈時に筋の伸縮を触知出来なかったため癒着を起こしていると推察し、同部位に対し筋の伸縮を感じるまで約2分施術した結果、荷重痛は10から6(NRS改変)となったが、第5趾MP関節の外転痛に変化はなかった。
次に、膝窩周辺の筋緊張が下肢の血行不良の要因と考え膝窩を触察したところ、膝窩周辺に筋緊張を確認し約2分施術し筋弛緩を確認した結果、荷重痛に変化はなかったが第5趾MP関節の外転痛は自動・他動ともに10から0(NRS改変)となった。
最後に、鼡径部の筋緊張が下肢の血行不良の要因と考え鼡径部周辺の筋緊張を触察にて確認し、約2分施術し筋弛緩を確認した結果、荷重痛は10から5(NRS改変)となり、足背疼痛部の腫脹・発赤は主観で5割減となった。血行が回復し症状が半減した事を確認したが疼痛部位には炎症が残存しており数日間は安静を要すると患者に説明し本日の施術を終了した。
「来た時よりも歩きやすくなった」と笑顔で帰路につかれた。