【患者】50代前半 女性
【主訴】腰を前に曲げられないし、
立ったり座ったりが痛い。
【既往歴】片頭痛
【現病歴】約3週間前に特に誘因なく腰部痛を発症。近医整形外科に受診し検査の結果、腰椎椎間板症と診断され、トリガーポイント注射を打ち、鎮痛薬を服用し、一旦症状は改善するも2週間程して再発し、更に悪化傾向にある為、当院に来院された。
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【現症】安静時痛はなく、下部腰椎周辺及び仙骨周辺に動作痛があり、動作痛は胸腰部前屈時(胸腰部前屈約20°で痛み出現)、座位からの立ち上がり動作時及び着座動作時に出現する。
【施術と結果】本症例は約3週間前に発症した臀部痛も含むぎっくり腰であるが、発症機転が特に誘因ない事、安静時痛がない事、更に動作痛が発現する部位である下部腰椎周辺に目視及び触察により、熱感、腫脹が確認出来なかった事から、痛みの要因は腰部の筋緊張による血行不良であろうと考えた。又、仙骨周辺の臀部痛は軽度の圧迫では痛みが出現しない事が確認出来た為、表部痛ではなく、深部痛であると判断し、根本要因は腰部深層筋である腰方形筋辺りの筋緊張により、痛みが出現する仙骨周辺の筋緊張が起きているのではないかと考察した。
先ず腰部の真横(第3〜第4腰椎高位)から正中に向かって緩消法を約2分行い、筋弛緩を確認した。その結果、座位からの立ち上がり動作時痛及び着座動作時痛が10から2(NRS改変)になった。胸腰部前屈時痛(胸腰部前屈約20°)は10から8(NRS改変)になった。効果が確認出来た為、更に同部位に緩消法を約10分行い筋弛緩を確認した。その結果、座位からの立ち上がり動作時痛及び着座動作時痛は10から0(NRS改変)と消失した。胸腰部前屈時痛(胸腰部前屈約20°)は10から6(NRS改変)になった。
その後、同部位に引き続き緩消法を約20分行うも、仙骨周辺の痛みが軽減する程の筋弛緩には至らなかった為、それ以上の痛みの軽減は認められなかった。ただ、立ち上がり動作時痛及び着座動作時痛が消失し、安堵の様子で帰路につかれました。