【患者】 40代後半、男性
【既往歴】 ―
【主訴】 ここ1年くらいで腰痛が悪化していて、ゴルフのスウィングの時に右の脇腹と腰が痛くて思ったスウィングができない。
【現病歴】 20代後半から腰痛が頻繁に発生するようになり、徐々に頻度が増し、痛みも悪化している。約3年前からは毎年ぎっくり腰が発生。くしゃみをしただけで腰痛が発生することもある。約1年前からはゴルフのスウィングの際に右側腹部と右腰部に痛みが発生し、スウィングができない。
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【現症】 来院時は安静時痛はなし。ゴルフスウィングの際に胸腰部を右側屈したときに右側腹部と右腰部に痛みが発生する。特に右側腹部の痛みが強い。
【施術と結果】 本症例は、ゴルフスウィングの際に胸腰部を右側屈したときに右側腹部と右腰部に痛みを訴えており、右側腹部と右腰部の筋緊張が痛みの要因であると考えた。
胸腰部右側屈時に痛みのある部位を確認していただいたところ、外腹斜筋停止部である腸骨稜全体に筋緊張が確認できた。右側腹部の痛みが特に強いとの訴えより、上前腸骨棘周辺より施術を開始することとした。上前腸骨棘周辺の筋緊張を緩消法にて約2分弛緩したところ、胸腰部右側屈時の痛みが10から7(NRS改変)となった。痛みに変化がみられたため、同部位を緩消法にて約10分弛緩したところ、痛みが10から0(NRS改変)と消失した。
次に、胸腰部右側屈時に右腰部に痛みが残存していることから、腸骨稜周辺の筋緊張を緩消法にて約2分弛緩したところ、痛みが10から8(NRS改変)となった。痛みに変化がみられたため、同部位を緩消法にて約5分弛緩したところ、痛みが10から2(NRS改変)となった。同部位の施術を進めたが筋弛緩が芳しくなかった。
腸骨稜の筋緊張の要因として腰部側面の筋緊張が考えられたため、触察したところ、筋緊張が確認でき、押圧深は約1cmであった。腰部側面の筋緊張を緩消法にて約15分弛緩したところ、押圧深が約2cmと大きくなり、痛みが10から0(NRS改変)となった。
「スウィングの時にこんなにしなやかに動くのは何年ぶりだろう」と喜びの声をいただいた。