【患者】50代後半 男性
【主訴】1週間くらい前にぎっくり腰で動けなくなり、今は少し痛みが軽くなってなんとか歩けるようになったが、まだ痛みが残っている。
【既往歴】ー
【現病歴】長年にわたり複数回ぎっくり腰を繰り返しており、過去に近医整形外科で急性腰痛症と診断され鎮痛薬を処方されたことがある。約1週間前に腰部に強い痛みが出現し歩行が困難になり、現在は痛みが軽減した事により歩行できるようになったが、安静時痛が残存している。
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【現症】来院時は歩行可能だが安静時に腰部全体に鈍痛有り。起立動作や着座動作で腰部の痛みが増悪する。胸腰部自動関節可動域(以下、ROM)は前屈約30°で第3腰椎(以下、L3)棘突起から右外側に約8cm周辺に強い痛みが発生し、ROM制限を確認。
【施術と結果】本症例は、複数回ぎっくり腰を繰り返しており、来院時には目視と触察により腫脹や熱感が確認できない事から、腰部の筋緊張が痛みの要因と考えた。
先ず、胸腰部自動ROM前屈約30°で最も強い痛みが発生するL3高位の腰部側面に筋緊張を確認した為、緩消法を約5分施術し筋弛緩を確認した結果、腰部側面の押圧深は約0.5cmから約1cmと大きくなり、腰部全体の安静時痛は10から5(NRS改変)と小さくなり、胸腰部自動ROMは前屈約40°と大きくなった。改善が見られた為、続けて同部位に緩消法を約10分施術し筋弛緩を確認した結果、腰部側面の押圧深は約1cmから約2cmと大きくなり、腰部全体の安静時痛は10から3(NRS改変)と小さくなったが、胸腰部自動ROMに変化は見られなかった。
筋弛緩の割合に対して症状の改善があまり見られなかった為、胸腰部前屈動作で最も強い痛みが発生するL3棘突起から右外側に約8cmの部位を触察したところ筋緊張を確認し、緩消法を約10分施術し筋弛緩を確認した結果、腰部全体の安静時痛は10から0(NRS改変)と消失し、胸腰部自動ROMは前屈約45°と大きくなり、ROM制限は確認できなくなり、主観により起立動作や着座動作での腰部の痛みも消失したと報告を受けた。
ずっと残存していた腰部の鈍痛が消失し、すっきりしたと笑顔で帰宅された。