【患者】70代前半、女性
【主訴】動くときに腰が痛い
【既往歴】手術歴:腰部脊柱管狭窄症(約4年前)
【現病歴】約4年前に、腰部脊柱管狭窄症に対して内視鏡での手術を受けた。術前よりも動くときの腰痛は減ったが残存しており、現在は特に、前かがみの動作が痛くてしにくい。
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【現症】第3~第4腰椎(以下、L3~L4)高位正中に約3cmの縦向きの術痕あり。術痕部の痛みなし。立位にて胸腰部前屈可動域(以下、ROM)は約30°で、腰部L3~L4高位の棘突起から左右約6~7cm付近に痛みあり。また、立位にて、右側屈ROM約15°で腰部右側に、左側屈ROM約15°で腰部左側に痛みあり。
※ROMは、全て自動ROM。
【検査所見】両下肢に神経学的異常なし
【治療と結果】腰部を触診すると、全体的に筋緊張が高く、腰部側面の小指押圧深は左3.0cm・右2.5cmだった。
まず、ご本人が一番気になる立位前屈動作での痛みの部位を指で示してもらい、まずその場所に緩消法を約2分実施。筋弛緩を確認後、先程と同様の前屈動作を行ってもらうと、前屈ROM約30°での痛みは10から0(NRS改変)と消失し、痛みを感じ始める前屈ROMは約45°になった。
痛みの軽減があったため、続けて同部位に約5分実施。前屈ROM約45°での痛みは10から0(NRS改変)と消失し、痛みを感じ始める前屈ROMは約60°になった。次に、痛みが一番気になる動作を確認すると、左右側屈であったため、痛みを感じる部位を確認し、その部位に約2分実施。痛みに変化がなかったため、腰部両側面も含めて腰部全体の筋弛緩が必要な旨を説明し、腰部両側面に実施した。約15分後、腰部側面小指押圧深は、左3.5cm・右4.0cmと変化し、筋弛緩を確認。左右とも側屈ROM約15°での痛みは10から0(NRS改変)と消失し、痛みを感じ始める側屈ROMは左右とも約30°になった。
更に腰部側面に約10分継続。左右側屈ROMは変化がなかったが、側屈約30°での痛みは左側屈時10から2(NRS改変)へ、右側屈時10から0(NRS改変)となった。また、前屈ROMは約80°まで可能となった。そしてその前屈時の痛みは施術前前屈(ROM約30°)時と比べると10から2(NRS改変)と小さくなっていた。
動作が軽くなった、と喜んで頂けた。
※ROMは、全て自動ROM。