【患者】70代前半 男性
【主訴】左腕の肘から先の小指側が痺れる。氷水に入れているような感覚。時々痛むことも有る。
【既往歴】ー
【現病歴】約2年前に左肩周辺に痛みが発生し、左肩関節に可動域制限が出現した為、近医整形外科を受診。疼痛部周辺にトリガーポイント注射の治療を行った結果、左肩周辺の痛みは改善し左肩関節可動域制限も解除されたが、次第に痛みが左上腕、左前腕と移動していき、現在は左前腕尺側から左小指にかけて痺れが残存し、まれに痛みを伴うことも有る。
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【現症】左前腕尺側から左小指にかけて痺れ有り。安静時痛無し。
【施術と結果】本症例は、左前腕尺側から左小指にかけて痺れが有る為、先ず左小指の痺れの要因を左上腕骨尺骨神経溝周辺の筋緊張による血行不良と考え、左上腕骨尺骨神経溝周辺を触察したところ、左上腕骨内側上顆遠位端周辺に約5mm大のしこりを確認した為、緩消法を約30秒施術し筋弛緩を確認した結果、しこりは触察しても感じられず消失したと考えられ、主観により左前腕尺側の痺れは約4割減少し、左小指の痺れは消失したと報告を受けた。
左前腕尺側の痺れが残存している為、左肘関節より近位の筋緊張により血行不良を起こしていることが要因と考えた。左上腕から左鎖骨周辺に触察を進めたところ、左前斜角筋と左中斜角筋の停止部周辺に強い筋緊張を確認した為、緩消法を約1分施術し筋弛緩を確認した結果、主観により左前腕尺側の痺れは消失したが、同部位周辺に痛みの様な感覚が有ると報告を受けた。疼痛部位を確認したところ、左上腕骨内側上顆から約4cm遠位で屈側側周辺に筋緊張を確認した為、緩消法を約40秒施術し筋弛緩を確認した結果、左前腕尺側の痛みは10から0(NRS改変)と消失した。
ずっと気になっていた痺れが消失したことに喜びと共に驚きの表情をされていた。