【患者】40代後半 女性
【主訴】日々の家事で、特にフライパンを握ったり、かき混ぜたりするときに右腕が痛い。手首を反らすと痛い。
【既往歴】上腕骨外側上顆炎(テニス肘)
【現病歴】約8年前のウエイトレスをしていた時に肘関節を痛めたことが誘因となり、増悪と寛解を繰り返していた。約2年前から特に家事動作時痛が顕著になり、近医整形外科にてレントゲンを施行したが異常なしとのこと。上腕骨外側上顆炎(テニス肘)と診断され、日頃から肘に対するストレッチを行うよう指導を受けた。その後、他院にて電気療法、超音波治療及びマッサージ治療を受けていた。
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【現症】手関節の伸展動作時に右前腕伸筋群近位1/4付近から右上腕骨外側上顆周辺にかけて痛みが発生。安静時痛なし。
【施術と結果】本症例は、右前腕伸筋群近位1/4付近から右上腕骨外側上顆周辺にかけての痛みが顕著になり始めてから約2年経過していることから、その要因として、右前腕伸筋群の起始部である右上腕骨外側上顆に付着している腱部分および腱周囲伸筋群内の老廃物がうまく排出されず蓄積していることにより、痛みが発生しているものと考えた。
まず、手関節の伸展動作時に痛みを訴える右前腕伸筋群近位1/4付近の筋緊張部位に緩消法を約2分行い、筋弛緩を確認した結果、伸展動作時の痛みが10から5(NRS改変)と小さくなった。症状の改善が見られた為、同部位周辺の筋緊張部位に緩消法を約2分行い、筋弛緩を確認した結果、伸展動作時の痛みが10から3(NRS改変)と小さくなった。
次に、前腕伸筋群の起始部である右上腕骨外側上顆に付着している腱部分および腱周囲伸筋群内の老廃物を排出するため、右上腕骨外側上顆より約1~2cm遠位の筋緊張部位に緩消法を約2分行い、筋弛緩を確認した結果、伸展動作時の痛みが10から2(NRS改変)と小さくなった。症状の改善が見られた為、同部位周辺の筋緊張部位に緩消法を約2分行い、筋弛緩を確認した結果、痛みが10から0(NRS改変)と消失した。
伸展動作時の痛みがなくなり、日々の家事ストレスが軽減できると大変喜ばれていた。また、再発防止のためには腰部の筋肉を軟らかくすることが大切であることをご理解頂き、ご自身で軟らかくしていくことに意気込まれていた。