４ヶ月前の急性腰痛から悪化した右殿部痛の改善例

【現症】右殿部全体に安静時痛がある。特に疼痛が顕著に現れる部位は
右大殿筋中央部周辺である。
動作による疼痛増悪はないが、立位保持の際に疼痛が増大する。
【施術と結果】本症例は右殿部に慢性的に違和感を感じていた状況下で急性腰痛を発症し、その後、右殿部痛が悪化している経緯から、安静時痛は認められるが、動作による疼痛増悪はなく、疼痛部位を圧迫することによる疼痛増悪もない事から、本症例の痛みの要因は殿部の筋緊張による血行不良であり、根本的には腰部の筋緊張が要因であろうと考察した。
　先ず、痛みを訴える右大殿筋中央部の真上の腸骨陵周辺の触察をし、広背筋起始部辺りの筋緊張を確認した。同部位に緩消法を約2分行い、筋弛緩を確認した。
　その結果、右殿部の安静時痛は10から5(NRS改変)になった。効果が認められた為、さらに同部位に約5分緩消法を行い、筋弛緩を確認した。その結果、右殿部の安静時痛は10から3(NRS改変)になった。
　この時点で腸骨陵周辺に明らかな筋緊張部位を確認出来なくなった為、施術部位を本症例の根本的な要因であろうと考察した腰部を触察すると、第4腰椎高位(以下、L4)の右腰方形筋周辺に筋緊張を確認した。同部位に緩消法を約15分行い、筋弛緩を確認した。その結果、右殿部の安静時痛は10から0(NRS改変)になった。
　更に立位時の右殿部痛も確認出来なかった。この後は再発を防ぐ為に、残存する腰部の筋緊張部位を触察により確認し、同部位に緩消法を約15分行い、筋弛緩を確認し当日の施術を終了した。
　日常生活に支障をきたした状況での来院であったが、施術後には痛みが無くなり、満足されたご様子でした。