【患者】10代前半 女性
【主訴】2ヶ月以上前から、チアダンスをしていると膝に痛みが出るようになった。しゃがむと両膝が痛くて、大会が近いのに練習に参加できない。
【既往歴】ー
【現病歴】両膝関節屈曲動作で出現する両脛骨粗面周辺の牽引痛が2ヶ月以上継続している。近医整形外科にてレントゲン検査を行いオスグッド・シュラッター病と診断され、痛みが無くなるまで安静にするよう指示を受け鎮痛薬を処方される。鍼灸院に通っていたが、チアダンスの大会が近づいてきた為とにかく痛みを何とかしたいと思っていたところ、チアダンスチームの仲間に当院を紹介され来院。
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【現症】両膝関節屈曲動作で、両脛骨粗面周辺に牽引痛が出現。しゃがみ姿勢では、左膝により強い疼痛を訴えている。安静時痛は無し。両膝関節に日常生活上の可動域制限は確認できなかった。
【施術と結果】本症例は、目視と触察により腫脹や熱感が感じられず、両膝関節屈曲動作で両脛骨粗面周辺に牽引痛が出現することから、両大腿四頭筋周辺の筋緊張が痛みの要因と考えた。
先ず、より強い疼痛を訴える左膝から施術を開始する為、左大腿四頭筋の筋腹である左大腿部前面を触察したところ、左大腿直筋中央付近に約5mm大のしこりを確認し、緩消法を約1分行い筋弛緩を確認。結果、しこりは触察しても感じられず消失したと考えられ、左膝関節屈曲動作での左脛骨粗面周辺の牽引痛は10から5(NRS改変)と小さくなった。更に左大腿四頭筋周辺の筋緊張を弛緩する為、起始部周辺である左下前腸骨棘付近を触察したところ筋緊張を確認し、緩消法を約2分行い筋弛緩を確認。結果、左膝関節屈曲動作での左脛骨粗面周辺の牽引痛は10から2(NRS改変)と小さくなった。
主観により、しゃがみ姿勢で右膝の疼痛の方が気になるようになったとの報告を受けた為、同様の流れで緩消法を約2分施術し右大腿部前面の筋弛緩を確認。結果、右膝関節屈曲動作での右脛骨粗面周辺の牽引痛は10から0(NRS改変)と消失した。
再度しゃがみ姿勢を取ってもらったところ、左膝に軽度の疼痛が残存していた為、疼痛を訴える左脛骨粗面周辺に緩消法を約1分行い筋弛緩を確認。結果、しゃがみ姿勢での両膝の疼痛は10から0(NRS改変)と消失した。その後は再発防止の為、両大腿四頭筋周辺の筋緊張の要因と考えられる腰部の筋緊張を弛緩する為、腰部側面に緩消法を約15分行い筋弛緩を確認して終了した。
同席されたお母様が「本当に痛くないの?」と驚いた様子で何度もご本人に確認されていた。ご本人は「これでチアダンスの練習に参加できる」と笑顔でお帰りいただいた。