10年位前、柔道にて肩を負傷して残存している痛みの改善例

【現症】右肩関節屈曲時に肩関節前方の痛みを訴える。
【施術と結果】本症例は約10年前の肩関節周辺部の怪我により痛みが残存している。右肩自動関節可動域（以下、ROM）屈曲約90° より上腕骨結節間溝周辺部に疼痛があり約175°までの範囲にて痛みがある。
　疼痛部位が特定できた為、ヤーガソンテストを実施する。右肘関節約90°前腕回内に保持し、回外方向に他動運動を行う。右肩前方に疼痛が誘発され陽性とした。よって右上腕二頭筋長頭腱周辺部の痛みと判断し上腕二頭筋の筋緊張が痛みの要因の1つと推測した。又、長年に渡り痛みが残存する要因として腰の筋肉の緊張であると考えた。
　まず、痛む患部から3cm遠位の筋緊張部位に緩消法を約1分行い筋弛緩を確認した。痛みが10から8（NRS改変）に小さくなった。次に上腕部遠位前面外側の上腕二頭筋停止部と思われる周辺部の筋緊張に対し緩消法を約5分行い筋弛緩を確認した。痛みが10から0（NRS改変）に小さくなった。右肩ROM 屈曲約175°までの痛みは消失した。ヤーガソンテストを行い(-)となった。
　ずっと痛かった肩の痛みがなくなり喜んでいただきました。症状が良くならなかった原因として、上肢に対する血行不良であるとお伝えし、腰の筋肉を軟らかくすることをご説明。次に腰の側部の筋緊張に対して緩消法を約5分行い筋弛緩を確認しその日の施術を終了した。