【患者】70代後半 男性
【主訴】膝が痛くて正座ができない。
【既往歴】胃がん術後、高血圧症
【現病歴】約半年前、畑仕事をしたことを契機に右膝関節周辺に重圧感が発生。約3ヶ月前から次第に疼痛を伴い、正座が困難になる。右膝関節周辺に疼痛が発生した為近医整形外科を受診したが、異常所見が確認されなかった。
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【現症】起立位からの膝関節屈曲動作にて、右膝関節可動域(以下、ROM)は自動で屈曲約90°で右膝関節外側関節裂隙部周辺に痛みが発生する。安静時痛なし。
【施術内容・結果】本症例は、起立位からの膝関節屈曲動作にて右膝ROM制限と痛みを訴えており、目視及び触察により同箇所に熱感や腫脹が確認できない為、右膝関節周辺の筋緊張による血行不良が痛みの要因と考えた。
初めに、右膝関節外側関節裂隙部周辺に疼痛を訴えた為、疼痛部位に緩消法を約2分施術し筋弛緩を確認した。結果、起立位からの膝関節屈曲動作による右膝関節の痛みが10から9(NRS改変)と小さくなった。筋緊張は弛緩したものの痛みの変化が少なかった為、右膝関節外側関節裂隙部周辺の筋緊張の要因と考えられる右上前腸骨棘内側周辺の筋緊張箇所を弛緩する事とした。触察にて右上前腸骨棘内側周辺の筋緊張を確認し、緩消法を約2分行い筋弛緩を確認した。結果、起立位からの膝関節屈曲動作による右膝関節周辺の痛みが10から5(NRS改変)と小さくなり、右膝ROMは自動で屈曲約110°と大きくなった。
更に同箇所に筋緊張を確認し、緩消法を約2分行った。結果、起立位からの膝関節屈曲動作による右膝関節周辺の痛みが10から4(NRS改変)と小さくなった。筋緊張は弛緩したものの痛みの変化が少なかった為、右膝関節周辺の筋緊張の要因は腰部の筋緊張であると考え、第4腰椎高位の腰部側面に緩消法を約10分施術し、筋弛緩を確認した。結果、起立位からの膝関節屈曲動作による右膝関節周辺の痛みが10から1(NRS改変)と小さくなり、右膝ROMは自動で屈曲約130°と大きくなった事で、正座が出来るようになった。
「長年、正座が困難だった為、正座は不可能だと考えていたが、短時間の施術で疼痛もほぼ感じられず正座が出来るようになるなんて不思議。」と喜んで頂き、帰路につかれた。