1年前から続く、跛行を呈するほどの腰痛の改善例

【患者】70代後半、女性
【主訴】歩くと腰が痛くてつらい
【既往歴】約18年前に腰痛症になりブロック注射を2回行った。
【現病歴】約1年前から、特に誘因なく歩行時に腰に痛みを感じるようになる。徐々に増悪し約4ヶ月前から跛行を呈するほどの痛みになり歩行困難になる。近医整形外科での検査では異常は指摘されなかった。
【現症】立位で腰胸部前屈可動域(以下、ROM)約-20°で常に前傾姿勢である。歩行時の初期接地から第4腰椎(以下、L4)高位の左右に痛みがあり荷重不可のため跛行を伴う。痛みは主観で左側が強い。
【検査所見】―
【治療と結果】本症例は1年前から増悪した慢性的な痛みであり、近医整形外科でも異常を指摘されなかったことから、腰部の痛みの要因は筋の緊張と推察した。
 触診にて腰部は全体的に筋緊張が高く特にL4の左側に高かった。腰部全体の筋緊張は腰部側面の筋緊張が要因と考えたため腰部側面へ緩消法にて約2分弛緩した結果、腰部側面の押圧深は左右とも体表から約3㎝から約4㎝になり腰部右側の痛みは10から0(NRS改変)となったが腰部左側の痛みに変化はなかった。
 改めて腰部を触察したところ左腰方形筋と思われる筋に強い緊張を確認し同部位へ約10分弛緩した結果、腰部左側の痛みは10から5(NRS改変)となった。
 効果があったためさらに同部位へ約10分弛緩した結果、痛みは10から0(NRS改変)となった。まだ以前の様には歩けないとの事で歩幅も狭いように感じた。また、立位時の姿勢にも変化がなかったため引き続き施術を継続し完治を目指す。しかし1年間苦しんだ腰の痛みが消失したことに大変喜んでいただいた。

By jhocr