【患者】50代前半、女性
【既往歴】―
【主訴】ここ1週間くらい背中の辺りが痛い。
【現病歴】1週間前より特に誘因なく背部痛を発症。
続きを読む
【現症】安静時痛はあるものの、可動域制限は認められない。立位でも座位でも痛みは同程度。第10胸椎から第12胸椎の高位で、棘突起より左右に約5cmの範囲に痛みがある。
【施術と結果】本症例は、特に誘因なく痛みを発症しているため、腰部側面の筋緊張が第12肋骨(以下、R12)下部の広背筋の筋緊張を誘発し、さらに、第10胸椎から第12胸椎の高位で、棘突起より左右に約5cmの範囲の筋緊張を誘発していることが背部痛の要因であると考えた。
腰部側面・R12下部の広背筋を触察にて確認したところ、腰部側面の押圧深は約4cm、R12下部の広背筋は左右ともにR12遠位端より棘突起の方向に約7cmの範囲の筋が弛緩していた。そこで、R12下部の広背筋のR12遠位端より約7cmの部位を棘突起の方向に施術することとし、緩消法にて約1分弛緩したところ、痛みは10から5(NRS改変)となった。
痛みの減少が確認できたため、同部位への施術を約2分継続したところ、痛みは10から0(NRS改変)となった。再発防止のため、腰部側面の筋緊張を自分で弛緩すると決意され、「背中の痛みが強かったので背中のことしか言ってなかったのだけど、右肩部の痛みもなくなった。」と喜びの報告を受けた。