【患者】60代前半 女性
【主訴】半年前から左肩に違和感があり、2ヶ月前からキッチンのシンク上の吊り戸の中にあるフライパンを取ろうと左手を伸ばしたら左肩に痛みが出てきた。
【既往歴】−
【現病歴】約2ヶ月前に右腕を挙上した際に可動域制限を伴う右肩関節痛が発症し、近医整形外科に通院。その後、複数回整体院に通院し今日に至る。
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【現症】左肩関節可動域(以下、ROM)は自動で外転約70°で左大胸筋遠位周辺部、及び左上腕骨三角筋粗面付近に痛みが発生。安静時痛はない。
【施術と結果】本症例は、約2ヶ月前より左上腕挙上動作が発端で左肩関節痛を発症し、現在は左肩関節外転動作で左肩関節前面に痛みを訴えており、目視及び触察により同箇所に熱感や腫脹がないと感じられた為、一つの要因として左大胸筋、及び左三角筋周辺の筋緊張よる血行不良が痛みの要因と考えた。
疼痛を訴えている左大胸筋遠位周辺部及び左上腕骨三角筋粗面周辺の筋緊張を触察により確認し、同部位に緩消法を約2分行い筋弛緩を確認した。その結果、肩関節外転約70°で発現する痛みは10から5(NRS改変)となり、左肩ROMは自動で外転約90°と大きくなった。続けて同部位から施術範囲を約2cm程広げ、触察により確認した筋緊張部位に緩消法を約5分施術し、筋弛緩を確認した、その結果、肩関節外転時痛は10から4(NRS改変)となり、右肩ROMは自動で外転約120°と大きくなった。
続けて同部位周辺に緩消法を約2分継続したが大きな変化が見られなかった為、左大胸筋遠位周辺部及び上腕骨三角筋粗面周辺の筋緊張の要因として腰部の筋緊張が考えられた為、第2腰椎高位の腰部左側面を触察したところ、押圧深約2.5cmの箇所に約3mm大の筋硬結と考えられるしこりを確認した。同部位に緩消法を約20分施術し筋硬結と考えられるしこりの消失を確認した。その結果、痛みは10から1(NRS改変)となり、右肩ROMは自動で外転約170°と大きくなった。
主観にて左手を上げても肩の痛みが気にならない程スムーズに上がるようになって良かったと報告を受けた。