【患者】80代前半 女性
【主訴】両膝の内側が痛い
【既往歴】変形性膝関節症 ペースメーカー胸部植込み術後
【現病歴】若い頃より内反膝傾向だったが、徐々に進行していて、10年以上前から痛みを感じるようになった。近医整形外科にて変形性膝関節症と診断を受る。発痛箇所はその時々で変化する。
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【現症】ご来院時は、両膝関節内側より遠位約2cmの鵞足と思われる箇所に座位での両膝関節屈曲約90°で同部位に発痛。歩行時発痛あり。痛みの左右差ほぼ無し。
【施術と結果】本症例は、両膝内側面の鵞足と思われる部位に痛みを訴えており、目視、触察にて、熱感や腫脹が確認できなかった為、痛みは、同部位周辺の筋群(縫工筋、薄筋、半腱様筋)の筋緊張による血行不良が要因と考えた。また、痛みを訴える同部位の筋緊張の要因として腰部筋群(腸腰筋)の筋緊張も影響しているのではないかと推測した。
初めに、左膝関節内側の発痛部位周辺に約2分施術。筋弛緩を確認した結果、座位での左膝の関節可動域(以下、ROM)自動で約110°歩行動作による左膝関節内側面の痛み10から3(NRS改変)となった。発痛箇所が膝蓋骨近位の左大腿直筋周辺に移行したとの報告を受け、触察を行い、左膝蓋骨近位約10cm周辺に筋緊張を確認。同部位に約2分施術し筋弛緩を確認した結果、座位での左膝ROM自動で約130°となった。右膝も左膝と同様に施術を行い、座位での右膝ROM130°歩行動作による右膝関節内側面の痛み10から3(NRS改変)となった。
両膝の痛みが大きく変化したことで、腰部の触察に移り、腰部側面から上前腸骨棘内側に筋緊張を確認。同部位に約15分施術を行い、腰部側面の押圧深左右約1cmから3cm、上前腸骨棘内側の押圧深左右約0.5mmから4cmの筋弛緩を確認した結果。歩行動作による両膝関節内側面の痛み10から0(NRS改変)となった。
遠方から電車にて、お一人でのご来院であったこともあり、帰りは楽に安心して帰れると笑顔で仰っておりました。