【患者】10代前半 女性
【主訴】体を捻じると背中が痛い。
【既往歴】-
【現病歴】学校での定期検診により脊柱側弯症の疑いがあり専門医での受診を勧められた為に来院。クラシックバレエの練習や学業などにより左肩甲骨周囲に痛みが発生。
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【現症】胸腰部左回旋動作で左肩甲骨下角付近に痛みが出現し、胸腰部右回旋動作で第7・8胸椎(以下、Th7・8)高位の左肩甲骨内側縁付近に痛みが出現。立位による胸腰部回旋可動域(以下、ROM)は左右共に約30°で制限あり。
【検査所見】単純X線写真正面画像にて脊柱側弯(胸椎右凸、腰椎左凸)を認め、最大Cobb角26°。
【施術内容・結果】本症例は、胸腰部左右回旋動作による左肩甲骨下角付近とTh7・8高位の左肩甲骨内側縁付近の痛みを訴えており、痛みの要因として左肩甲骨周辺部の筋緊張と考えた。
初めに、施術者①により胸腰部左回旋動作で痛みを訴えている左肩甲骨下角付近を触察し筋緊張を確認し、筋緊張部に緩消法を約1分施術し筋弛緩を確認。結果、胸腰部左回旋による左肩甲骨下角の痛みが10から2(NRS改変)となった。痛みの減少により、胸腰部右回旋時のTh7・8高位の左肩甲骨内側縁付近の痛みの訴えが変わったことにより、患部を触察した結果、筋緊張を確認し筋緊張部に緩消法を約1分施術し筋弛緩を確認。結果、胸腰部右回旋によるTh7・8高位の左肩甲骨内側縁付近の痛みが10から0(NRS改変)と消失した。施術前の画像所見により脊柱側弯を確認している事もあり、腰部の筋緊張が左肩甲骨周辺部の痛みや脊柱側弯の要因であることを説明し、腰部側面より施術者②③④が緩消法を約30分(各10分)施術し筋弛緩を確認。結果、胸腰部左回旋による左肩甲骨下角の痛みが10から0(NRS改変)と消失し、立位による胸腰部左右回旋動作によるROMが左右共に約80°と大きくなった(骨盤の動きを含む)。
主観により胸腰部回旋動作が楽になったとの報告を受けた。同席した保護者より、検診で脊柱側弯が確認され、とても不安で改善されるか悩んでいたが、緩消法により痛みの消失と胸腰部回旋動作の改善効果を実感し、脊柱側弯も改善が望めると喜びの声を頂いた。
【その他】本症例は、しん整形外科にて、緩消法認定技術者の①渡邉・②秦・③清水・④小林の4名で順次施術を行った症例である。