【患者】10代前半 男性
【主訴】右足でサッカーボールを蹴ろうとすると、右の股関節が痛い。触ると痛い。
【既往歴】-
【現病歴】約2か月前からサッカー練習の際、右股関節に運動痛が発生。痛みをなくして、翌日に行われるジュニアユースのセレクションを受けさせたいとのことで、保護者が連れてこられた。
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【現症】ボールを蹴る動作をしてもらうと、右股関節の伸展から屈曲にかけて運動痛が発生。右鼡径部周辺に圧痛の訴えあり。右股関節の可動域制限は確認出来なかった。
【施術と結果】本症例は、約2か月前より右股関節の伸展・屈曲共に運動痛を訴えており、触察にて腫脹や熱感等ないことと、痛みの発生から約2か月経過していることから、その要因として右鼡径部周辺の筋緊張と推察。
はじめに、右鼡径部周辺の圧痛を訴えた為、触察にて筋緊張を確認し、腰かけ座位にて緩消法を約2分行い、筋弛緩を確認した。結果、右股関節の運動痛が10から7(NRS改変)と小さくなった。痛みが小さくなったことから、先程と同様に、圧痛を訴える部位の筋緊張の確認と施術を繰り返し、緩消法にて約2分施術を合計4回行い、その都度筋弛緩を確認した。結果、右股関節の運動痛が10から3(NRS改変)と小さくなった。
次に、圧痛を訴える部位が右上前腸骨棘の右縫工筋起始部周辺へと変化したため、腰かけ座位にてその筋緊張部位に緩消法を約2分行い、筋弛緩を確認した。結果、右股関節の運動痛が10から2(NRS改変)と小さくなった。
更に、圧痛を訴える部位が右下前腸骨棘の右大腿直筋起始部周辺へと変化したため、仰臥位にてその筋緊張部位に緩消法を約7分行い、筋弛緩を確認した。結果、右股関節の運動痛が10から0(NRS改変)と消失した
。保護者に連れられて来院した際「絶対治らないよ…」と呟いていた少年であったが、右股関節の運動痛が消失したことにより、明日の試験では100%の力が出せると最後は笑顔で帰られた。