【患者】40代前半、女性
【既往歴】―
【主訴】半年以上前に脚立から落ちて背中を打った。その次の日から背中に痺れがある。
【現病歴】半年以上前に脚立から転落し、左背部を打った。翌日より受傷部位に痺れが残存している。
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【現症】左第12肋骨(以下、R12)周辺に痺れがあるとのこと。起床時は特に痺れが強い。
【施術と結果】本症例は転落による左背部の打撲がきっかけとなり、受傷部位に痺れが残存しているが、目視・触察にて腫脹や熱感等ないことと、受傷より半年が経過していることから、転落時に背部に強い衝撃が加わったことで筋緊張が発生し、動脈が圧迫されたことによる血行不良が痺れの一つの要因であると考えた。
痺れを訴える左R12周辺を触察したところ、第2腰椎高位で棘突起より外側へ約5cmの広背筋周辺に筋緊張が確認できたため、緩消法にて約2分弛緩したところ、痺れが施術前と比べて主観で3割減少したと報告を受けた。痺れに変化がみられたため、同部位への施術を継続することとし、緩消法にて約2分弛緩したところ、痺れが施術前と比べて主観で5割減少したと報告を受けた。
さらに同部位への施術を1分継続したが、筋の弛緩度合いが芳しくなかったため、広背筋の筋緊張を誘発すると考えられる腰部側面の筋緊張に施術ポイントを移すこととした。触察にて腰部側面の筋緊張を確認し、緩消法にて約2分弛緩したところ、痺れが施術前と比べて主観で7割減少したと報告を受けた。
効果がみられたため施術を約10分継続し、筋緊張を弛緩した結果、痺れが施術前と比べて主観で9割減少したと報告を受けた。痺れが継続していることに不安を抱いていたが、痺れが改善することができるとわかって安心したと笑顔でお帰りいただいた。