【患者】70代後半女性
【主訴】右の腰から足にかけて歩いた時に痛い。
【既往歴】
【現病歴】約20年ほど前より腰痛があった。約半年前から酷くなり、近医整形外科を受診し診断名は坐骨神経痛。外用薬を処方され塗布して生活していると、歩行時の痛みが強くなってきた。
続きを読む
【現症】患者は、腰部右側と臀部痛を訴えており、椅子座位から立位動作痛と歩行痛がある。約5歩から6歩位にて右大腿部後面坐骨周辺部から膝窩周辺部に痛みが発生する。その為、杖を使用している。
【検査所見】
【施術と結果】本症例は腰から右大腿部後面遠位周辺部までの間で疼痛を呈している。腰の筋緊張により下肢への血行不良が疼痛の要因の1つと考えた。
まず、腰背部正中より右外側約10cm腸骨陵周辺部の筋緊張に対し、緩消法を約1分間行った。筋弛緩を確認した為、椅子座位から立位動作して頂くと痛みが10から8(NRS改変)に小さくなった。次に腰部側面の体表より押圧深約5mmであった。その周辺部に緩消法を10分間行い筋弛緩が確認でき押圧深3cmとなった。立位時、腰と臀部の痛みが10から5(NRS改変)に減少し、歩行して頂くと大腿部後面の痛みが10から2(NRS改変)に小さくなった。
続けて腰部の筋緊張に緩消法を行なっていると、患者さんから、「実は10代の頃に右耳の聴力があまり無いことに気づいた。」とお話をされた為、左右差を確認すると、左:右=約10:1のようであった。難聴施術部位に約30秒緩消法を行なった。確認すると耳の通りが良くなったと変化を感じて頂いたので、更に約1分緩消法を行なった結果。1だった聴力が約3になったとご報告いただき、非常に感激された。
頚部周辺部筋の緊張が難聴の原因であると説明し、その筋緊張は腰の筋緊張を弛緩することで更に改善が期待出来るかもしれないと説明した。今回の腰痛改善の為にも、ご自身で緩消法をするようにお話をし、その日の施術を終了した。お帰りになる際、杖をつかずに歩けるとおっしゃっていただけました。
【その他】患者さんは、左側の聴力のみで生活していた為、不自由はしていなかったが、血行不良の原因は筋緊張であるとの説明を理解した為、「実は・・」とお話ししてくださった。10代の頃と70代後半になっての聴力がどのように変化して現在に至るのかは不明でしたが、頚部の施術ポイントをやってみて改善につながった症例となった。