【患者】70代前半 女性
【主訴】手を使っていると右手の中指から小指が腫れるように浮腫んできて、雑巾を絞る様な握って捻じる動作が痛みで出来なくなる。
【既往歴】左膝半月板損傷術後
【現病歴】4ヶ月前頃に転倒しそうになり、右手を着いたときに痛めてしまい、整骨院に通院。安静時の痛みは無ないが、家事仕事などを行っていると徐々に右第3指、第4指、第5指が浮腫んできて痛みは無いものの、手関節を捻じる動作が痛みで出来なくなる。安静にしていると浮腫みは約2時間位で無くなる。ご家族の紹介でご来院された。
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【現症】来院当日の状態は、安静時痛は無く、目視による内出血や触察による熱感、腫れも無い。前腕の自動の関節可動域(以下、ROM)制限なし。右第3指、第4指、第5指が屈曲時に掌に着かない。回内・回外動作時に右橈骨背側遠位、右尺骨掌側遠位周辺に痛みが伴う。
【施術と結果】触察にて、右橈骨背側遠位辺の長母指外転筋・短母指伸筋と思われる部位に筋緊張を確認。前腕の自動の関節可動域(以下、ROM)制限なし。右第3指、第4指、第5指が屈曲時に掌に着かない。本症例は、約4カ月前に右手を着いた後から続く症状であり、安静にしていると動作時痛はなく、熱感、腫れも無いことから、使用していると発症する右手の症状は、右前腕筋群の筋緊張による血行不良が要因と推測した。
また、発痛部位には筋緊張だけでなく、筋硬結の様な状態になっていることも推測した。同部位に施術を約3分間行い筋弛緩を確認したところ、約5mm×約1cm程度の索状硬結と思われる箇所も確認できた。右前腕回内・回外時の痛み、共に10から5(NRS改変)。
次に、右尺骨掌側遠位辺りの尺側手根屈筋・浅指屈筋と思われる部位に筋緊張を確認。同部位に施術を約2分間行い筋弛緩を確認したところ、右第3指、第4指、第5指が屈曲で掌に着くようになった。回内時の痛み10から0(NRS改変)。回外時の痛み10から3(NRS改変)。その後、索状硬結があると思われた筋に約5分間施術を行い、筋弛緩を確認。右前腕の回外時の痛み10から0(NRS改変)となりました。手首を振ったり、指を閉じたり開いたりされ安堵の表情でお帰りになりました。