【患者】30代後半 女性
【主訴】右肩を動かすと痛みが出る。右の背中が重怠く痛みがある。
【既往歴】10代前半に左上腕骨開放骨折。
【現病歴】約15年前の出産後から背部に倦怠感を感じていたが、その都度マッサージなどを受け対応していた。年々倦怠感が強くなっていき、3か月前にインディアカをしている時に右背部と右肩関節に明確な痛みが出現。3か月間痛みに変化無く友人の紹介により来院。
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【現症】右肩関節可動域(以下、ROM)は自動運動にて水平伸展15°で右小結節付近に痛みが出現。第5胸椎棘突起から右外方15mm付近に重怠さ及び鈍痛が出現。安静時痛無し。
【施術内容・結果】本症例は、右肩関節水平伸展動作により右小結節付近に痛みを訴えており、また右背部に痛みを訴えている事により、右肩関節周辺部及び右肩甲骨周辺部の筋緊張が痛みの要因と考えた。
初めに、右肩関節の痛みに対し、右肩関節水平伸展動作時に触察したところ、右大胸筋鎖骨部付近の筋緊張を確認し緩消法にて約1分施術し筋弛緩を確認。結果、右肩関節水平伸展動作時の痛みが10から2(NRS改変)に小さくなった。残り2割の改善を考え、右肩関節水平伸展動作時に触察をしたところ右棘上筋付近に筋緊張が確認できた為、筋緊張部に緩消法を約1分施術し筋弛緩を確認。結果、右肩関節水平伸展動作時の痛みが10から0(NRS改変)に消失した。
次に、右背部の痛みに対して第5胸椎棘突起から右外方15mm付近に疼痛部位を訴えている為、触察にて筋緊張を確認し緩消法を約1分施術し筋弛緩を確認。結果、右背部の痛みが10から0(NRS改変)に消失し、右肩ROMが自動運動にて水平伸展約30°と大きくなり、主観により右背部の倦怠感が7割減少した。
短時間での痛みの消失により、再発抑制を考え、第2腰椎高位の腰部側面筋緊張部より緩消法を約20分施術し筋弛緩を確認。結果、腰部側面の押圧深約5mmが押圧深約20mmになり、主観により、背部の倦怠感が消失し肩背部が軽くなったとの報告を受けた。
現在、陸上競技の外部指導員をしているとの事により、現役時代はアジア大会6位の成績だったけど、現役の時に緩消法を知っていればもっと良い成績を残せたかもしれないと思うとの喜びの声を頂いた。また、指導している子供達にも興味を持った子達には積極的に進めたいとのお言葉を頂いた。