【患者】60代前半 男性
【主訴】ソフトボールを投げるとき、右肩の痛みと突っ張り感があって投げられない。
【既往歴】-
【現病歴】5年程前から送球の際、右肩関節周辺に違和感を覚え始め、現在はスローイングトップ時にボールを持つ右手が右耳付近に近づくにつれ右肩関節に痛みと引張感が出現する。
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【現症】安静時痛は無し。右肩関節可動域(以下、ROM)は自動で外転約80°・外旋約30°で可動域制限と共に痛みが発生。
【施術内容・結果】本症例は触察による熱感も無く痛みが慢性化している事から、外傷性ではなく右肩関節周辺の筋緊張がROM制限と痛みの要因であると考えた。
触察により右肩の烏口突起周辺と右肩甲骨外縁周辺に筋緊張を確認した為、初めに烏口突起周辺の筋緊張部位に緩消法を約30秒施術し筋弛緩を確認。結果、引張感は主観で約5割減との報告を受け、右肩ROMは自動で外転約90°・外旋約45°に大きくなり、痛みは10から8(NRS改変)と小さくなった事を確認できたので、引き続き同部位に緩消法を約1分施術し筋弛緩を確認した結果、引張感は主観で約8割減との報告を受け、痛みは10から5(NRS改変)と小さくなった事を確認できたが、右肩ROMに変化は無し。
ここで右肩ROMに変化が少ない事から、触察にて確認していた右肩甲骨外縁周辺に施術部位を移し、筋緊張部位に緩消法を約30秒施術したところ、右肩ROMは自動で外転約120°・外旋約60°と大きくなり外旋のROM制限は解除され、痛みは10から3(NRS改変)と小さくなった事が確認できたため、引き続き同部位に緩消法を約1分施術し筋弛緩を確認した結果、右肩ROMは自動で外転約180°と大きくなりROM制限は解除され、引張感は主観で消失したと報告を受け、痛みも10から0(NRS改変)と消失した。
施術後、スローイング動作で確認してもらうと、痛みや引張感なく動かす事ができ、次の試合がとても楽しみだと喜んでおられた。