【患者】50代前半女性
【主訴】痛みが出てから1ヶ月経っているのに、右腕を前に突き出すと肩の前辺りが痛い
【既往歴】ー
【現病歴】1ヶ月ほど前に、空手にて肩関節約90°屈曲にて正拳突きの練習時、肩関節前面周辺部の痛みが発生した。近医整形外科受診し、診断名は肩関節捻挫であり外用薬を処方され塗布し安静にしていた。疼痛は半分位になったが残存していた為、当院を受診した。
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【現症】肩関節屈曲0°下垂位にて肩関節前面、結節間溝周辺部に圧痛を確認。肩関節屈曲運動を行い約90°あたりで自動運動痛が著名であった。生活動作として、前方の物を把持する際、痛みが発生するとの事
【施術と結果】本症例は約1ヶ月前に肩関節90°屈曲にて体幹から腕を前方移動する運動、(正拳突き)によって肩関節前方周辺部を負傷しており、1ヶ月安静したが現在も約50%の痛みが残存している為、上腕前面の筋肉に古傷がの疑いも感じられ、筋緊張が痛みの要因の1つと考えた。
まず、右上腕部結節間溝と思われる部位に触察し圧痛部位を確認。徐々に肩関節屈曲しつつ90°周辺部まで他動運動を行いながら確認する。触察する部位を移動しながら遠位約5cm位の部位に約5mmくらいの硬結らし確き物を触察し、緩消法を約15秒行うと硬結らしきものは消失した。自動運動にて約90°にて痛みが10から5(NRS改変)に小さくなった。続けて肘関節外側辺り橈骨粗面辺りの上腕二頭筋停止部と思われる緊張部位に、緩消法を3分行って筋弛緩した。痛みが10から1(NRS改変)に小さくなった。
1ヶ月にわたり上腕の筋緊張が残存する原因は、腰部の筋緊張と考えた。腰部の筋肉を弛緩することで再発予防になるとお話し、腰部側腹部に対し緩消法を20分行った。押圧深約3cm深層へ弛緩にてその日の施術を終了した。後日、痛みが0となったとご報告いただきました。
【その他】
本症例は、肩関節周辺部に硬結らしきものがあり、痛みの原因であったが、空手の運動動作にて、上腕二頭筋の筋緊張を呈し、強い筋緊張が起こった。その筋緊張部位を弛緩することによって痛みの改善につながった。