【患者】40代後半 女性
【主訴】朝起きると1時間から2時間位腰と臀部が痛くて椅子に座れない。
【既往歴】脊椎間狭窄症、すべり症
【現病歴】スポーツジムで体を鍛えることが好きで通っていたが、3ヶ月程前玄関先で転倒し、尾底骨を強打。暫くすると痛みが治まり、そのままスポーツジムでトレーニングした。その後、左腰部から左臀部にかけて痛みが出現した。起床後1時間から2時間位痛みで座位が出来ない。又、座位10 分程の継続で座位から立位の動作で左仙骨周辺部に痛みがある。痛みを感ずる度に臀部にテニスボールを使用し押圧をしていた。
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【現症】可動域制限は無い。腫脹、熱感は無い。安静時痛は時々ある。腰部側面押圧深は約2cm。
【施術と結果】本症例はスポーツジムでの筋トレが趣味であり、腫脹や熱感も無い事から運動痛が蓄積したことによる筋緊張が腰部及び臀部の痛みの要因であると考えた。
又転倒後、そのままトレーニングした事により、筋断絶も考えられた。転倒から3ヶ月以上経過している為、筋断絶部位に筋硬結のような筋緊張があると推察した。触察にて左腰部第4腰椎(以下L4,)の高位周辺の脊椎起立筋、及び正中から約7cmの腸骨稜周辺部、左腸骨稜上部の左腰方形筋辺りに筋緊張を確認した。正中部に近い筋群に筋緊張が強くあるが、正中部の筋群の緊張は腰部側面の筋緊張が正中部の筋群を緊張させていると考え、腰部側面からL4付近の高位正中に向かい施術する事にした。座位にて腰部側面から約10分緩消法を行う。腰部側面押圧深は2.5cmとなる。座位から起立の動作での痛みは10から8(NRS改変)と小さくなる。
更に腰部側面から約25分緩消法を行う。腰部側面押圧深は約3.5cmとなり、座位から立位での痛みは10から5 (NRS改変)と小さくなった。痛みは小さくなったが、左L4周辺の脊椎起立筋辺りの筋緊張が気になると報告を受け、触察すると、筋硬結のような筋緊張を確認した。約2分緩消法を行い施術を終了した。
後日起床後の痛みはあるものの、痛む時間は5分から10 分程度と短くなったと報告を受けた。