【患者】40代後半 女性
【主訴】7年前に車の事故で首を痛め、それ以来首が痛い。
【既往歴】腰痛症
【現病歴】約7年前に車を運転中に後方から追突され、鞭打ち症になる。それ以来、慢性的に頚部痛があり、時に目眩、嘔吐、頭痛が発現する。今まで様々な施術を試みるも改善する事はなく、近年、ご家族への介護も生じて悪化傾向にあり、ネットで緩消法を知り来院された。
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【現症】施術当日の症状としては
安静時痛はなく、目眩、嘔吐感、頭痛も確認出来ない。但し、頚部の運動痛が著明であり、発痛動作としては頚部の前、後屈、右側屈時に第3〜第5頚椎(以下、C3〜C5)高位辺りの後頚部右側に痛みが発現する。痛みによる可動域制限はない。頚部全体及び腰背部の筋緊張を触察により確認した。
【施術と結果】本症例は約7年前の追突事故以来続く、慢性的な痛みである為、頚部痛の要因としては頚部の筋緊張による血行不良ではないかと推測した。更には筋の屈曲時にも痛みを訴えている事から、単なる筋緊張のみならず、筋硬結の様な状態も存在するのではないかと考えた。実際に痛みを訴えるC3〜C5高位辺りの筋を触察すると筋緊張及び
約5mm程の筋硬結の様な状態を確認した。早速、同部位に緩消法を約30秒行い、筋弛緩を確認した。(筋硬結は約5mmから約3mmになる)
その結果、頚部前屈時の痛みは10から0(NRS改変)になり、後屈及び右側屈時の痛みは共に10から5(NRS改変)になり、余りにも短時間での痛みの改善に驚きの表情。
更に残存する筋硬結の様な状態の筋に対して緩消法を約1分行い、筋硬結の様な状態の消失を確認した。
その結果、痛みは10から0(NRS改変)になった。その後は頚部の筋緊張の根本的な要因であると考える腰部全体の筋緊張を触察により確認し、腰部側面から正中に向かって緩消法を約20分行って筋弛緩を確認した。その結果、押圧深は左右共に約1cmから約3cmになり、当日の施術は終了した。
緩消法の効果を実感された様子で感謝の気持ちを口にされつつ、頚部以外の痛みも現存する為、施術の継続を希望され帰路につかれた。