約半年前から続く右中指のばね指様症状の改善例

【現症】症状としては右中指PIP関節の屈曲痛、及び屈曲位から伸展動作時には一瞬、抵抗感があり痛みを伴う。患部に熱感は無いが浮腫の様な状態に見える。安静時痛は無い。触察により中手指節関節(以下、MP)上の浅指屈筋腱と思われる部位に約2mm程の肥厚を確認した。また、触察により、右前腕屈筋群周辺(右手関節より近位10cm程の位置)に筋緊張部位を確認した。
【施術と結果】本症例は特に誘因無く発症し、目視により腫脹の様に見られた状態も触察により、熱感が無く、安静時痛もない事から浮腫の様な状態であると推測した。
　症状の要因としては触察により確認済の右中指MP関節上の浅指屈筋腱と思われる腱の肥厚と考えた為、同部位に緩消法を約2分行い、腱の肥厚の縮小(主観で5割程)を確認した。その結果、右中指PIP関節の屈曲並びに伸展時の痛みが10から8(NRS改変)になった。
　次に、浅指屈筋腱の肥厚の要因として考えた前腕屈筋群の筋緊張部位に緩消法を約1分行い、筋弛緩を確認した。その結果、痛みは10から5(NRS改変)になった。この時点で目視により浮腫様状態は解消し、ご本人も確認し、驚きの表情。
　更に、浅指屈筋腱の肥厚を縮小させる為、同部位に緩消法を約15分行い、腱の肥厚の消失を確認した。その結果、右中指PIP関節の屈曲位から伸展動作時の抵抗感が消失した。そして痛みは10から2(NRS改変)になった。ご本人の主観で痛みは多少残っているものの、緩消法の効果は想像を超えるものとの報告を受けた。