約半年前から続く、途中覚醒を伴う夜間痛のある左肩痛の改善例

【現症】左肩関節可動域（以下、ROM）は自動で外転約15°で左三角筋中部繊維上1/3周辺と、三角筋粗面周辺に痛みが発生。安静時痛は左上腕中央から左手関節にかけて鈍痛。仰臥位にて左肩前面に引張感あり、左肩甲骨が床面に接地しないほど、左肩関節が前方内側に変位している。
【施術と結果】本症例は、誘因なく発症し約半年間続いている事と、夜間痛は強いが日中は軽度である事から筋緊張からくる血行不良が要因と考えた。夜間痛の要因として仰臥位において左肩関節が前方内側に変位していることから小胸筋の筋緊張による血行不良があると考えた。左肩関節軽度屈曲外転位で左第３～５肋骨付近の小胸筋の起始と思われる所を触察したところ、筋緊張を確認した為、緩消法を約3分施術し筋弛緩を確認した結果、仰臥位での引張感は主観で10から0となり、左肩甲骨は床面に接地した。
　次に、安静時の鈍痛の要因は左頚部の筋緊張が左鎖骨下動脈の血行不良を引き起こしているためと考えた。触察にて頚部左側面下部の筋緊張を認めた為、緩消法を約3分施術し筋弛緩を確認した結果、安静時の鈍痛は10から0（NRS改変）となった。
　次に、頚部、肩部の筋緊張の要因は腰部側面の筋緊張と考えたため腰部側面に緩消法を30分行い、腰部側面の押圧深は約4.0㎝から約5.0㎝となり筋弛緩を確認した結果、左肩ROMは自動で外転約45°と大きくなり、痛みは10から2（NRS改変）となった。
　後日電話にて、夜間痛は10から4（NRS改変）となり初めて5時間連続で寝れましたと喜びのご報告を受けた。