【患者】80代前半 男性
【主訴】両足、両膝が歩き出すときにガクガク、ふらふらして頭から突っ込むように転んでしまう。
【既往歴】坐骨神経痛
【現病歴】約40年前から特に誘引なく、力仕事や腰に負荷がかかるような作業をした後で両膝に強いこわばりが現れるようになった。年々悪化を辿り毎日、歩き出しの度にふらつきがあり、前のめりに転んでしまう事が頻繁に起きるようになってきた。半年前には左大腿部後面部に痛みが発現し歩行困難になり、近医整形外科に受診し坐骨神経痛と診断を受けた。現在も左大腿部後面に痛みはあるが、ふらつきながらも歩行は可能である。
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【現症】触察にて腰部に筋緊張を確認できる。安静時痛無し。胸腰部屈曲で腰部全体に痛み。安静姿勢から歩行に移り一歩目で両膝のこわばりからくる不安感が発現する。歩行を持続すると不安感は減少し、間欠性破行のような症状は起こらない。
【施術と結果】本症例は約40年前から悪化を辿っている両足下半身のこわばり、及び筋力低下のような症状を訴えており、そのことから純粋な筋肉の緊張から起こる血行不良ではない可能性も考えた。
しかし、整形外科受診時に神経の圧迫による下肢の麻痺は診断されていないので、腰部の筋肉の緊張が要因である可能性が高いと考えた。開始前の腰部押圧深は左右共に約1.5cmだった。第3腰椎高位の腰部の筋緊張部位に側面から正中に向かって緩消法を行い、約5分施術した所、腰部押圧深は約3cmまで軟らかくなった。
そこで、歩いてみてもらった所、ふらつきが若干収まったと本人から確認が取れた。続けて約20分腰部を施術し、腰部押圧深は約4cmまで軟らかくなった。その場で歩いてみてもらった所左大腿部後面の痛みは消失し、ふらつきも大分収まったと本人の確認が取れた。次の日に連絡があり、朝散歩をした所、足のふらつきは本人の主観で7割くらい軽減したと報告を受けた。
これからの人生やりたい事が沢山あり、それが出来る様になってとても嬉しいと喜んで頂いた。