新型コロナウイルス罹患後の味覚・嗅覚障害への改善例

【現症】触察により頚部全体と特に頚動脈分岐部付近の筋に強い筋緊張を確認できた。それに加え、前頚部左側の下顎角直下付近に筋硬結のような状態を確認できた。
【施術と結果】本症例は、前例が無く他の症例報告にも挙がっていない為、施術者の独断による施術を行う以外になかった。味覚と嗅覚の障害であるならば、外頚動脈および、舌動脈周辺で起きている筋の緊張による動脈の圧迫による血行不良が要因である可能性が高いと考えた。　触察により下顎角付近から下顎体へ約5センチの範囲の下顎骨内側に筋緊張が確認できたので、緩消法の施術で筋の弛緩を確認していく。左側には特に下顎角直下付近に筋硬結のようなものが確認出来たので硬結が消失するまで約30秒かけて施術を行う。
　この時点で、患者に味覚の変化の確認の為に飴玉を舐めて貰うと、明らかな味覚の変化を感じると伝えてきた。そのまま左右両側の下顎角付近から下顎体へ約5センチの範囲の下顎骨の内側の部分の筋緊張を3分ずつかけて弛緩させていき、外頚動脈付近の筋の緊張も確認出来たところだけ弛緩させていき、合計10分施術を行った。結果、主観として味覚と嗅覚の障害は完全に消失した。コーヒーの香りや飴玉の味が以前のようにはっきりと感じる事が出来るとのこと。
　一生このまま味がしないまま生活するのかと思うと悲しかったが、治って嬉しいと満面の笑みで喜んで頂いた。