【患者】40代後半 女性
【主訴】右手が震えて字が書けない。
【既往歴】-
【現病歴】約20年前よりペンを持つ手が震えて字が書けないとの事。日常生活動作では震えの症状は発現せず、ペンを持ち書く時だけ手が震え文字や絵が震えて書けない。
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【現症】書字の際、右手母指・示指・中指の震えが発生し線が震える。「木」の1画目と2画目の線の乱れが強い。一筆書きによる渦巻書きでは線の乱れも強く、線と線の間の間隔が無くなる箇所が多く見られる。右手前腕部の屈筋群及び伸筋群の筋緊張を確認。右肩甲骨下角付近(小円筋)、右斜角筋部に筋緊張確認。
【施術と結果】本症例は約20年前より症状を訴えている事もあり、右上肢の静脈血の血行不良だけでなく、右手運動神経の伝達異常の可能性も考えられる。
先ず、右上肢の血行不良を改善を目的とし右長掌筋・右腕橈骨筋・右浅指屈筋・右橈側手根屈筋と思われる部位を触察し筋緊張を確認、筋緊張部に緩消法にて約2分施術し筋弛緩を確認し結果、右手示指の震えが患者主観により3割軽減したと報告を受けた。母指、示指の痺れ症状に関わる事例が多い事から推察し、肩甲骨下角部の小円筋と思われる部位を触察し筋緊張を確認し、筋緊張部に緩消法を約1分施術し筋弛緩を確認、結果として右手母指・示指の震えが患者主観により5割、右手中指の震えが3割軽減したと報告を受けた。
右前腕部及び右頚部の筋緊張は腰部の筋緊張が考えられ、腰部側面上部に緩消法を約5分施術し結果、右手母指・示指の震えが患者主観により9割、右手中指の震えが7割軽減したと報告を受けた。
「木」の1画目の乱れは無くなり、2画目の乱れも少なくなった。一筆書きによる渦巻書きでは、線の乱れも少なく線と線の間隔がつぶれた個所も無くなり改善を確認。本症例は約20年前から続いている症状だが緩消法により筋緊張を軟らかくする事により血行不良を改善し短時間で効果を確認できた。患者主観により「20年間で一番効果があった!」との報告を受けた。