1か月入院しても改善しきれなかった眩暈の改善の一例

【現症】触察にて、頚部後面から肩部の筋群に筋緊張がみられ、乳様突起から下顎角辺りの筋肉が硬結していると思われるほど筋緊張がみられた。圧痛あり。頚部関節可動（以下ROM）左回旋自動約４５°、頚部ROM屈曲自動約30°でフワッと眩暈を感じる。腰部側面の筋群の押圧深約1cm。圧痛は無し。
【施術と結果】本症例は、眩暈の入院治療をされ退院することができたが、頚部の動作で眩暈が発生しており、頚部周辺の筋群の緊張による血行不良と、頚部周辺の筋群の緊張は腰部の筋群の緊張が要因と推測。
　初めに、頚部の屈曲伸展、回旋側屈の動作で主訴が起こることから、側臥位にて左右腰部側面の筋緊張部位に約5分づつ施術を行い、約3cm程度筋弛緩を確認後、そのまま肩部への施術に移行。肩甲骨上縁から第6、7頚椎、第１、２胸椎辺の筋群に筋弛緩を確認できたところで、ゆっくりと起き上がっていただき動作確認を行ったところ、頚部ROM左回旋自動約60°で主観で眩暈が発しなくなったが、頚部ROM屈曲自動約60°では頚部屈曲動作から戻すときにまだ感じることから、次に乳様突起前の胸鎖乳突筋緊張部位に頚椎を伸展約10°させた状態から屈曲約10°までの可動範囲で約1分左右行い、筋弛緩が確認できたところで様子を伺うと主観で、スッキリした。
　首を動かしても眩暈が起こらないと報告を受けました。その後も再発はしておりませんとご連絡をいただきました。