【患者】50代前半 女性
【主訴】右の肩甲骨から背骨付近が寝ていると痛くなり、起床時には起き上がるのが辛いくらいに痛い。右肩の凝り・張りが酷い。
【現病歴】約6ヶ月前に右手を着いて転倒し、臀部に強い衝撃を受けた後に右肩に痛みが出たが、1週間ほどで痛みは消失した。3ヶ月前に再発して日増しに悪化している。近医整形外科を受診しレントゲンで異常なし、原因が分からないと言われた。同整形外科で週2回リハビリに通っているが改善は見られない。両足足底の痺れや頭痛なども発症し思い詰めていた中、当院を知り来所した。
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【現症】第4・5胸椎高位の脊柱起立筋付近に疼痛があり、圧痛を認める。右肩から右上肢全体に張りを感じており、起床時は右手にこわばりを自覚している。目視にて浮腫は生じていない事は確認できる。触察にて右腰部脊柱起立筋が左側と比べて緊張が強い事を確認できた。
【施術と結果】本症例は、患者の主張するように6ヶ月前の転倒が要因では無く、10年以上前からあった仰臥位で起きる右尾骨付近の激痛が関連していると判断した。
患者の訴えと現症に違和感を感じて問い直したところ、出産後の尾骨の痛みがある事が判明した。両側足底部の痺れも発症している為、肩甲骨から上肢に要因があるのではなく、腰部の筋緊張が要因であると考え、腰部側面から施術を開始した。
約5分ほど第2・3腰椎高位側面から筋緊張を改善していくと、右肩の凝りの緩和を確認した。続けて約30分腰部の施術を行った。結果、主訴の背部の痛みは10から2(NRS改変)となった。