【患者】50代前半 女性
【主訴】1カ月ぐらい前から右膝を伸ばすと痛い。日によっては曲げる時も痛くて正座ができない時がある。
【既往歴】バセドウ病、子宮筋腫・卵巣嚢腫術後
【現病歴】約1カ月前から右膝関節伸展時に運動痛が発生。右膝関節屈曲時にも痛みが発生し正座姿勢ができないこともある。以前から右膝関節痛を発症する時が有り、2年前と1年前に近医整形外科にて右膝関節の穿刺を受けたとのこと。1年半前には近医整形外科にて腰椎の疲労骨折と診断されたとのこと。左股関節は常に鈍痛有。バレエを6年している。
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【現症】右膝関節伸展動作で右膝窩部内側に痛みが発生。右膝関節可動域(以下、ROM)は自動で、屈曲約100°で右膝蓋骨上部内側付近と右膝窩部内側に痛みが発生し正座姿勢ができない。
【施術と結果】本症例は右膝関節の伸展動作で右膝窩部内側に痛みが発生しており、右膝関節屈曲時に右膝蓋骨上部内側付近と右膝窩部内側に痛みが発生している為、右膝蓋骨上部内側付近に筋緊張、右膝窩部内側に筋緊張と筋硬結が有ると考えた。触察にて右膝窩部内側に筋緊張部位を確認した為、緩消法にて約3分弛緩した結果、右膝関節伸展動作での運動痛は10から6(NRS改変)と小さくなった。
更に触察にて右膝窩部内側に筋硬結の様な物を確認した為、緩消法を約3分施術し筋弛緩を確認した結果、右膝関節伸展時の運動痛は10から2(NRS改変)と小さくなり、右膝関節屈曲のROMの変化は確認できなかったが、痛みは10から7(NRS改変)と小さくなった。
次に右膝蓋骨上部内側付近の痛みを訴える部位に緩消法を約3分行い筋弛緩を確認した結果、右膝関節屈曲時の痛みが10から4(NRS改変)と小さくなり、右膝ROMは自動で屈曲約120°と大きくなった。また、右膝関節痛と左股関節の鈍痛の要因は上前腸骨棘周辺の筋緊張が要因と考え、上前腸骨棘付近の筋緊張部位を緩消法にて約10分弛緩した結果、右膝関節伸展動作での運動痛は10から0(NRS改変)と消失し、屈曲時の痛みは10から2(NRS改変)と小さくなり、右膝ROMは自動で屈曲約140°と大きくなり、正座姿勢ができるようになった。
左股関節の鈍痛も主観で消失したと報告を受けた。