パソコン作業で発生した右環指と小指の弾発現象の改善例

【患者】40代後半、男性
【主訴】右の薬指と小指を曲げた時にカクッとなり痛い
【既往歴】特記事項なし
【現病歴】約1年前から、特に仕事でのパソコン作業が多かった翌日の朝に、薬指と小指を曲げた時にカクッとなるひっかかりを感じることが多くなった。外傷歴なし。薬指と小指の付け根は押さえると痛い時がある。最近は、朝ひっかかる頻度が高くなったため来院。
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【現症】触診にて、小指の中手指節間関節(以下、MP関節)掌側の腱鞘A1領域と思われる部分に肥厚と圧痛が軽度あり。環指同部には小指よりも軽い肥厚あるも圧痛なし。また、前腕屈側の筋群は、左前腕と比べ筋緊張が高かった。両指とも、自動運動にてMP関節屈曲時にひっかかり現象(以下、snapping)があり、小指のほうが程度は強かった。伸展時にも軽度認めた。
【検査所見】知覚鈍麻等の神経学的異常なし
【治療と結果】まず、snappingを感じるA1領域腱鞘と思われる部位に緩消法を実施。
 次に、指屈筋腱と繋がる前腕屈側の筋群の筋緊張が高い部分に緩消法を実施。約3分後、小指MP関節のsnappingは主観で屈曲時が半減、伸展時は消失。環指に関しては屈曲時・伸展時ともに消失した。
 その後も継続し、約15分後、小指MP関節屈曲時のsnappingは主観で8割減となった。小指の圧痛は10から0(NRS改変)になった。/read]

By jhocr