【患者】60代前半 女性
【主訴】右腕の付け根が痛い。右手を後ろに回せない。背中が張っている。
【既往歴】-
【現病歴】約2年前より右肩関節が動かし辛く、右三角筋停止部付近に痛み有り。
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【現症】背部に手を回した状態から脊柱に沿って手を挙上させる動作(以下、結帯動作)で関節可動域(以下、ROM)制限有り。右母指掌側面先端部(以下、母指先端)が第4腰椎に位置した状態で右肩に痛みが出現。約10年前に近位上腕部を傷めた事が有り、それ以降同部位に運動痛が出現。触察にて右上腕二頭筋周辺に筋硬結を確認。
【施術内容・結果】本症例は、結帯動作に関わっていると思われる大円筋・小円筋・肩甲下筋・広背筋周辺部の筋緊張が右肩部の痛みの誘発とROM制限の要因と考える。また、約10年前の近位上腕部受傷部位付近に筋硬結及び運動痛がある事により筋繊維の古傷が疑われる。
初めに、右肩甲骨外縁周辺部の筋緊張部に緩消法を約2分施術。結果、結帯動作により右母指先端が第1腰椎に位置した事を確認できた。
次に、右上腕二頭筋周辺の筋緊張部と筋硬結部に緩消法を約3分施術。結果、結帯動作により右母指先端が第7胸椎に位置した事を確認できた。右三角筋停止部付近の痛みが10から3(NRS改変)に小さくなった。
また、右肩甲骨外縁周辺部の筋緊張の要因として第2腰椎(以下、L2)の高位に対して腰部側面の筋緊張が考えられるためL2の高位に対して腰部側面の筋緊張部位に緩消法を約20分施術し痛みが10から0(NRS改変)に消失した事を確認できた。