半年前から続く、左肩関節可動域制限の改善例

【現症】左肩関節可動域（以下、ROM）は、自動で、屈曲100°・外転90°・下垂位外旋（以下、ＥＲ１）30°・外転90度外旋位（以下、ＥＲ２）45°・外転90度内旋位（以下、ＩＲ２）20°・内旋Ｌ４高位。drop arm sign陰性。痛みを感じる周囲の筋肉は、触診上、筋緊張が高かった。
【検査所見】単純レントゲン写真では経年性の関節症性変化あり。
【治療と結果】左肩の痛みを訴える部分から緩消法による治療を開始した。
　約10分行い、自動ROM屈曲120°・外転100°に改善した。次に、肩周囲と腰部との筋緊張に関連があると考え、腰部にも緩消法を実施した。肩と腰部に交互に合計約10分行った。自動ROMは、屈曲155°・外転115°に改善した。
　また、その他のROMに関しては、ＥＲ１ 40°・ＥＲ２ 50°・ＩＲ２ 30°・内旋Ｌ２高位に改善していた。可動時の痛みは、10から6（NRS改変）へ小さくなった。
【考察】腰部にも緩消法を行うことで、肩周囲だけに行うよりもＲＯＭを改善できた。肩ROM制限は、肩周囲の筋緊張だけではなく、腰部の筋緊張も関与していると考えられる。