二度手術をしても治らなかった腰痛の改善例

【現症】腰部は安静時痛有り。胸腰部関節可動域（以下、ROM）は自動で屈曲約20°・伸展約10°で痛みが増大する。また、胸腰部伸展動作では右膝蓋骨上部周辺に痛みを誘発する。
【施術と結果】本症例は腰部の安静時痛と胸腰部伸展動作での右膝蓋骨上部周辺の痛みの誘発を訴えており、二度の腰椎椎間板ヘルニア手術歴が有ることから、腰部全体の筋緊張が痛みの要因と考えた。
　施術前の腰部側面の押圧深は左右共に約0.5cmで、触察にて腰部側面の筋緊張を確認した為、腰部側面に緩消法を約10分実施した結果、腰部側面の押圧深は左右共に約2cmと大きくなり、胸腰部ROMは自動で屈曲約40°・伸展約30°と大きくなり、腰部の安静時痛は10から4（NRS改変）と小さくなった。
　次に右膝蓋骨上部周辺の痛みを誘発する要因は右上前腸骨棘周辺の筋緊張と考え、筋緊張部位に緩消法を約10分施術した結果、胸腰部伸展動作での右膝蓋骨上部周辺の痛みは10から0（NRS改変）と消失した。
　この時点で最も痛みを感じる部位が第4腰椎高位で中心から両側に約3cmの筋緊張部位であった為、緩消法を約10分施術し筋弛緩を確認した結果、胸腰部ROMは自動で屈曲約45°・伸展約30°とROM制限が解除され、腰部の安静時痛は10から0（NRS改変）と消失した。主観にて安静時も動作時も痛みが消失したと報告を受けた。