【患者】40代後半 女性
【主訴】1週間ほど前から左の肩甲骨辺りが痛くなり、次第に首まで痛くなって左に顔を向けられないほど痛い。
【既往歴】盲腸術後、子宮筋腫術後
【現病歴】約1週間前、仕事中突発的に左肩甲骨付近に痛みが発生。次第に痛みが増大し、3日程経つと頚部まで疼痛部位が広がり、頚部左回旋が困難なほど痛くなった為、4日前に近医整形外科を受診、鎮痛薬を処方され服用するもののまだ痛みは有る。ストレートネックであると言われたとのこと。職業はスーパーでのレジ打ち。
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【現症】頚部関節可動域(以下、ROM)は自動で、屈曲約50°・伸展約30°・左回旋約20°・右回旋約50°。頚部左回旋動作で左頚部側面と左頚部背側に痛み有り。左肩ROMは自動で屈曲約120°・外転約100°で痛み有り。
【施術と結果】本症例は、頚部左回旋動作で屈筋側である左頚部側面と左頚部背側の痛みがある為、要因として左頚部側面と左頚部背側の筋の癒着が有ると考えた。
そこで左頚部背側の疼痛部位を触察したところ癒着の様な物を確認した為、緩消法を約5分施術した結果、癒着がはずれたと判断できるほど筋弛緩が確認でき、痛みは10から4(NRS改変)と小さくなり、頚部ROMは自動で屈曲約50°・伸展約45°・左回旋約45°・右回旋約50°と大きくなった。
次に、左肩関節外転約90°の時点で肩甲骨は動かず上腕骨のみが動く為、左肩甲骨付近の痛みによる左肩ROM制限は、左肩甲骨周辺の筋緊張が要因と考えた。そこで広背筋停止部付近を触察し筋緊張を確認し緩消法を約10分施術した結果、痛みは10から6(NRS改変)と小さくなった。
次に左大胸筋周辺の筋肉も触察により緊張を確認した為、緩消法を約5分施術した結果、痛みは施術前の10から3(NRS改変)と小さくなった。更に広背筋の起始部付近である腰部背側を触察したところ、第2腰椎高位で中心から左右外側に約7cm付近に筋緊張を確認した為、緩消法を約10分施術した結果、左肩ROMは自動で屈曲約160°・外転約145°と大きくなった。
施術終了時点で頚部左回旋動作での左頚部側面と左頚部背側の痛みは、主観でほぼ感じられない程度まで改善したと報告を受けた。