転倒による胸椎圧迫骨折後に発症した両下肢の痺れと引張感の改善例
【患者】70代後半 男性
【主訴】両足の突っ張りと痺れで上手く歩けない、足が前に出ない。
【既往歴】第12胸椎圧迫骨折(7ヶ月前)
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【現病歴】約7ヶ月前に転倒。第12胸椎を圧迫骨折し、約1ヶ月入院療養した。一旦、患部の痛み自体は消失したが、退院から約2ヶ月経過した頃から特に誘因なく、腰痛と両下肢後面の引張感、左右足底の痺れが発症した。近医整形外科にて投薬加療を受けつつ、通院出来る範囲の整骨院や整体院に通院したが、全く良くならず悪化傾向にあり現在、杖を使ってやっと歩けている状態である。
【現症】安静時に痺れはあるが、痛みはない。下肢の筋力低下がみられるが、感覚鈍麻はない。杖なしでの歩行は困難で杖を使用し、破行あり。腰部は全体的に筋緊張が著明で
腰部側面の押圧深は左右共5mm。
左右膝窩から下腿後面及び足関節周辺の筋緊張も強い。
【施術と結果】本症例は左右下肢の痺れと引張感を訴えており、尚かつ筋力低下もみられるが、筋緊張による血行不良が症状の要因と推測した。
先ず、腸骨陵後面上縁の筋緊張部位に緩消法を約1分行い、筋弛緩を確認し、痺れの変化はなかったものの引張感が主観で1割軽減した。
次に膝窩から下腿後面の筋緊張部位に左右それぞれ約5分ずつ緩消法を行い筋弛緩を確認し、その結果、痺れが主観で2割軽減した。その後、下肢の結果不良の要因である腰部に対して、側面から正中に向かって緩消法を約20分行い、筋弛緩を確認した。その結果、押圧深が左右共2cmになり、腰部の痛みは10から0(NRS改変)になり、両下肢の引張感が主観で4割軽減した。
最後に触察で左右鼠径部の筋緊張を確認し、同部位にそれぞれ約1分ずつ緩消法を行い、筋弛緩を確認し、杖を使用してではあるが、主観で足が前にに出やすくなった。との報告を受けました。
治る望みが出来ました。と喜んでいただけました。